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結局、買い物も出来なくて
何かあればいいんだけど、、
冷蔵庫の中を物色する
『なぁ、キムチチゲとかでいい?』
作れる自信なんてないけど仕方がない
ジナの答えも待たずに
冷蔵庫から材料を取り出して
左手に包丁を持ったまま立ち尽くす
利き手も使えないのにどうやって切るんだ…?
頭を抱えていると見かねたジナに包丁を奪われた
次々と野菜を切っていき
手馴れた様子であっという間にチゲが出来上がった
『いただきます』
いざ、食べ始めようとしたら
今度は箸を奪い取られる
『いや、自分で食べるから』
JN「…いいから、口開けて」
強引に口に運んでくるジナに
素直に口を開けて食べ進めた
その後も包帯を濡らさずに風呂に入るのは難しくて
ジナに手伝ってもらって済ませた
1人で入れると言ってはみたものの
無言で風呂場に入ってくるから
諦めてされるがままに洗ってもらった
『なに、一緒に寝んの?』
一旦家に戻ってシャワーを浴びたジナは
変わらず無言でベッドに潜り込んできて
俺に背を向ける形で横になった
相当、怒ってるな
あれから一言も喋んないし…
あまりにも機嫌が悪い時、黙るのが昔からの癖
怒鳴られる方がまだ可愛い
こうなったら最後
誰の言葉も聞かないから
早々に諦めるようにしていた
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時