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ほんのり苦くて、甘い ページ6

一日目の疲労は思ったよりも酷かったようで家を出なければならない20分前に起きてしまい、急いで支度をして家を飛び出した。



ギリギリ電車には間に合って今日も今日とて満員電車に揺られて最寄り駅で窮屈な車内からでれば少し時間に余裕があるので近くのコンビニに入ってカロリーメイトを一つ購入して会社に向かう。


歩いてる途中、目先に会社が見えてきたころ、背後から名前を呼ばれた。



「A〜!」
「仁花!おはよ」
「おはよ。ふふ、ここはねてるよ」
「えっ、どこ?」



寝癖まで気が回らなかった、こんな日に限って寝癖だなんて最悪だ。


仁花に場所を聞くとちょうど私からは見え辛いところで、最悪、と嘆き歩きながら手で直しつつエレベーターに乗り込む。



まだ二日目、慣れない朝に私と仁花は顔を見合わせて今日も頑張ろうね、と小声で会話をして私が先に降りた。

降りる際に小さく手を振って仁花と別れ、自身のデスクに向かう。



席についてパソコンを立ち上げて、始業にはまだ時間があるのでコーヒーを淹れに給湯室へ足を運ぶ。この部署はお客様以外はセルフらしく各自で淹れることになっている。


松川さんと及川さん、それと国見さんの分も淹れてデスクに戻ると淹れている間に3人は来ていたらしく席に座って始業まで各々過ごしていた。



「松川さん、おはようございます。コーヒー要りますか?」
「おはよう市川さん。ありがとう貰うね」


 先に直轄の先輩である松川さんにマグカップを渡す。次に向かいのデスクに座る及川さんと国見さんに声をかける。



「及川さん、国見さん、おはようございます。コーヒーいりますか?」
「おはようAちゃん、貰う貰う!ありがとう」
「熱いので気をつけてください。国見さんはいりますか?」
「うん。ありがとう」
「はい」


相変わらずの国見さん。

席に座ると横でふーっとコーヒーを冷ます松川さんに「熱かったですか?」と尋ねると「俺、猫舌なんだ」と言ってゆっくりコーヒーに口をつけるとまだ熱かったようで「あっつ」と声を漏らしている。松川さんは猫舌。

昨日は照れ屋さん、今日は猫舌。



見た目は年相応に見えない松川さんの意外な一面を日々見れてなんだか嬉しい。

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設定タグ:ハイキュー , 松川一静   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:お湯 | 作成日時:2019年5月9日 19時

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