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及川さんが居なくなってから、ふうと深く息を吐いてお盆を持ってデスクに戻ると松川さんと英は来ていておはようございます、と声をかければ二人ともいつものように眠そうに返事をくれた。


 松川さんと目が合ったけれどニコッと微笑まれ、いつも通りの彼に、やっぱり昨日のは私の願望から来た都合の良い夢だったのではないかと思うってしまう。後で、出先の帰宅途中にでも聞こうと思って反対側のデスクから感じる及川さんの視線には気づかないふりをした。








 お昼。いつものように仁花と社食に行こうと財布を持ち出すと、横にいた松川さんが「あ」と声を漏らした。


「俺、昨日勝ったから幻のオムライス、Aちゃんに奢ってもらえるんだっけ?」
「そういえばそうでしたね、一緒に行きます?」
「うん。谷地さん、一緒して良い?」
「はい!全然良いです!私今日午後早めに戻らないといけないのでちょうど良かったです」


 仁花に松川さんのことで話を聞いてもらおうかと思っていたが、仁花も忙しそうだしまた今度でいいかと思って承諾した。

仁花が早く戻るのなら、昨日のことを松川さんに聞けるから。ちゃんと本当のことを言ってくれるのか少し不安ではあるが。



 
 3人で社食に向かい、松川さんの分も購入するために先に仁花は席に着いたので一人で呼ばれるのを待つ。早めに来ていたからいつもよりも早く呼ばれて席に着いていただきますと合掌して味噌汁を胃の中に流し込むとすごく落ち着いた。

やっぱり二日酔いにはお味噌汁が一番。

実は朝から若干二日酔いなのは薄々気づいていたがコーヒーを飲んで無理矢理頭を動かしていたのが今になってつけが回ってきたのかだいぶ辛い。


「Aちゃん、オムライス一口いる?」
「え、いいんですか?」
「勿論。はい、アーン」


 そのまま口を開けて差し出されたスプーンに食いついてオムライスを食べる。久しぶりに食べたオムライスはなんだか懐かしい気持ちになった。

ああ、幻のオムライスはお母さんの味なのかな、なんて考えながら口を動かしていたら仁花が固まっていることに気がつきどうかした?と声をかけるとひどく顔を歪められた。

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設定タグ:ハイキュー , 松川一静   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:お湯 | 作成日時:2019年5月9日 19時

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