139 ページ47
・
「今日は雷門と永世学園の試合のはずですが、何故ユニフォームを着ていないのです？」
取れてしまったフードを被り直し、疑問に思った事を目の前にいる吉良ヒロトに尋ねる。が、向こうはこちらを見るばかりで自分の問いに回答してくれない。
「聞いていますか？ 何故ここにいるのですか？」
「！ ……どうだっていいだろ」
ようやく自分が問いかけていることに気づいたのか、反応を見せた吉良ヒロト。しかし、自分の問いに目の前の人物は曖昧な回答をした。
「そういうお前も。なんでここにいるんだよ」
「自分は雷門の選手から見に来て欲しいとのお誘いがあったので」
「……あっそ」
向こうの問いに自分がそう答えると、吉良ヒロトは一言そう言ってプレイヤーズゲートを通る。自分もその後を追うようにプレイヤーズゲートを通った。
すると、前を歩く吉良ヒロトが立ち止まり、こちらを振り返った。
「……なぁ」
「なんでしょうか」
「お前、昔孤児院にいた事ないか？」
孤児院
何かしらの理由で親を失った身寄りのない子供を収容し、保育する施設のことだ。少しだけこちらと似ている箇所があるだろう。
ですが、向こうの問いには”昔”というワードが含まれている。現在ではなく過去について吉良ヒロトは問うているのだ。
「……自分の昔」
＿＿＿今思えば、昔の自分について考えた事がない。
何故なら必要がなかったから。だが、吉良ヒロトの問いに答えるには自分の過去について思い返さなければならない。
「すみません、自分の過去について
だが、自分が過去何をしていたのか全く思い出せない。分かっているのは、物心がついた頃には王帝月ノ宮にいたということ。
……そういえば。
「前に雷門に所属していたと言われたことがあるのですが……一切記憶にありません」
何故あの時……雷門の監督、超金雲に問われた時に疑問に思わなかったのだろうか。あと、何人かにも自分は雷門にいたと言われた気がするのだが、
『お前は！ 元雷門中のAAだろう！？ そして＿＿＿俺はお前の仲間だ！！』
『怪我人を出すようなサッカーはもうしないと俺達の前で誓ったのは誰だ？ ……お前だろう、A……！』
『私達は雷門中に入学して、同じクラスで……同じ部活に所属していたの！』
『二度とになどさせない……っ。お前を以前のお前へと戻すまで……！』
＿＿＿誰だったのか思い出せない。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
