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「……」
今日は雷門と永世学園の試合。バス停って所に着いたはいいものの、沢山のバスが通過するからどれに乗れば良いのか分からない。違い分からず、通過していくバスと腕時計を交互に眺める。その間にも時間は刻々と過ぎていく。
「……徒歩で向かおう」
試合開始まで30分。ここから試合会場であるFFスタジアムまで徒歩で向かうとどのくらいの弛緩がかかるのかは分からないが、このまま待っていても状況は変わらないだろう。
バスの外から見えていた景色は覚えている。その道を辿れば会場に着くはずだ。その代わり、初めから試合を見ることはできないだろう。
「……そうだ。氷浦に連絡」
そう思ってポケットに仕舞っている携帯を取り出す……いや、取り出そうとした。
「……あれ？」
入れたはずの携帯がない。これでは氷浦に連絡することができない。
「……しかたない。走ろう」
走ったら少しだけ速く着くはず。
そう考え駆け足で会場へ向かうことにした。
「……もう始まっているかな」
しばらく走ると遠くから会場が顔を覗かせた。距離は近い。長い距離を走ったため少しだけ疲労を感じる。
「……これはあった」
プレイヤーズゲートを通るために必要なカードは持っていた。どうして携帯を持ってくるのを忘れたのか自分でもよく分からないが、今から取りに帰れば試合を見ることができない。
「……着いた」
自分の目の前には試合会場であるFFスタジアムがある。決勝大会はずっとここが試合会場だから、プレイヤーズゲートの場所や観客席への通路も把握しているつもりだ。
「……試合、始まってそう」
聞こえてくる歓声にそう予想する。前半戦だといいな、と思いながらプレイヤーズゲートへ向かった時だ。
「！？」
急いでいたこともあって目の前を確認せず歩いていた。そのため、目の前に誰かいることに気づかなかった。
「……っ」
ぶつかった衝撃でフードが取れる。太陽の光が当たって目が眩み、目の前にいる人が誰なのか認識ができない。
「……？」
視界が安定し、漸く目の前にいる人物を視認できた。自分の視界に入った人物……男は目を丸くさせてこちらを見ていた。
「お前、AAか？」
「はい。そうですが、貴方は？」
どこかで見た事がある気が……あ、思い出した。
「貴方は永世学園の吉良ヒロトですね」
吉良ヒロト
今日の雷門の対戦校である永世学園の選手だ。ですが、何故ここにいるのでしょう？
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
