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ガキの頃から夢だったフットボールフロンティア決勝大会出場が現実となり、もしかしたら優勝できるかもしれない。そのためには俺の力が必要らしい。
……そもそも俺はフットボールフロンティアに出るつもりはなかった。だが、姉の瞳子から『親父が俺をフットボールフロンティアに参加させること』を条件に永世学園のサッカー部を作ったために俺は参加せざるを得なかった。
別に出場することに猛反対だったわけじゃない。もしかしたら……と淡い期待が何処かにあった。けど、その期待は今日まで現実になることはなかった。
あの人はちっとも俺を見やしない。いつも見ているのは……目の前にいるこいつらばかりだ。
「そろそろ飽きてきたんだよなァ、サッカー」
あの人は俺に興味がない。それがよく分かったから、もう俺がサッカーをやる意欲はほぼない。……結局、あいつもいねーし。
そんな気持ちを抱えながら俺は部屋を出た。
「逃げるのか？」
行く手を阻むように俺の前に立ったのはタツヤだ。俺はタツヤの言葉に答えることなく通り過ぎようとした。
「学園長だってきっと期待してる。ヒロトがチームに入ったからには……」
「期待なんかしちゃいねーよ。どーせお前らみたいな真っ当な奴らと組ませて、更生させようってとこだろ」
振り返ればそこには、あの日と同じような目で俺を見るタツヤがいた。
「……チッ、またその目か。全然かわんねーな、あん時から」
思い出すのは、タツヤと初めて対面した日。その隣には何年も見ないあいつの姿もあった。二人の真っ直ぐな瞳に俺は苦手意識を持っていた。
「……チッ」
俺はタツヤから背を向け、今度こそその場を立ち去った。……きっと覚えてねーんだろうな。あの日の事。タツヤだけでなく、あいつも。
ポケットにしまっていた携帯を取りだし、イヤホンを着けながら画面のロックを解除する。開かれた画面には先程まで読んでいた記事が表示された。
「……」
その記事に大きく載っている画像に写っているのは、AA。名前と髪の色が一緒。けど、違うのは苗字と髪の長さ……あと、顔が死んでるって所だ。
けど、一年前……雷門に所属していた時の画像に映ったAAは死んだ顔をしてなかった。王帝月ノ宮って所に転入した後、こんな顔をするようになったって所か。
「……知ってもどうせ意味ねーよ」
そう自分に言い聞かせるように口に出してみたが、気分が晴れる気配はなかった。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
