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「……それは間違いないと思う」
「どういう事です？」
「あの日……祖父母が亡くなった日。遺体安置室の前で看護師に言われたことを思い出したんだ……Aは父親と名乗る男と帰ったと」
「「「！！」」」
「今豪炎寺君の言葉を聞いて確信……とは断言できないけど、ほぼ間違いないと思う。Aはその男によって記憶を奪われた」
だけど、豪炎寺君の言葉の続きを聞いて……まだあいつは完全に記憶を失ったわけじゃないとも思うんだ。そうでなきゃ、Aが豪炎寺君を呼ぶわけがない
「アレスの天秤システム……それを開発したのはどこの企業？」
「月光エレクトロニクスという電機メーカー企業です」
「……なるほど。スポンサーをやっているくらいだ、大きい企業であるのは間違いないだろうね」
雷門が優勝したことで、少年サッカーというものは更に注目されることになった。その注目を利益に繋げるべく、企業は学校にスポンサーとして支援するようになった。だが、スポンサーになるのはそう簡単なものではない。
何か情報があれば。真っ当な企業ならAが記憶を失うわけがない。何か裏があるはずだ。そこが掴めればAを……
「悠さん。気持ちは分かりますが、流石に企業相手に俺達だけでは何も……」
「分かってる。でも、俺は何もしないより何か出来ないか考えてしまう性分なんだ」
……もう10年は経とうとしているけど、向こうは覚えていてくれているだろうか。昔、両親が亡くなった後、お世話になったとある施設の設立者であるとある人物を思い浮かべる。
「……何か宛てがあるんですか」
「まあね。昔、お世話になった孤児院の設立者がすごい人でね。……少し力を貸して貰えないか聞いてみようかなって思って」
こんな個人的なことで話しても良いのか。それも、久しぶりだと言うのに。……でも、あの人は優しい笑顔で俺に言ったんだ。
『何かあればまた尋ねてきなさい。離れたとしても、私の家族であったことは紛れもない事実なのですから』
もう何年も連絡を入れていない息子だけど、聞いてくれますか。妹が危険な目に遭っているかもしれないんです。まだ俺を貴方の息子の一人に入れて貰えているのなら、頼っても良いですか？
三人が退室した後、俺は何年も前に聞いた電話番号を入力して発信ボタンをタップした。何コールか後、電話は繋がった。
「……もしもし。お久しぶりです、星二郎さん。悠です」
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
