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「今の所を押したら今のように俺の携帯に着信が入る。Aさんが俺に電話を掛けたって分かるんだよ」
「なるほど……」
自分の持つ携帯と俺の携帯を交互に見るAさんは、初めてのものを見る子供のようで。そんな彼女を見て俺は自然と笑みが零れていた。
「携帯を耳に当てて」
「……こう、でしょうか」
「合ってるよ」
今Aさんにはコール音が聞こえているはずだ。俺は画面に表示された通話開始のボタンをタップし、携帯を耳に当てた。
「……もしもし、聞こえる？」
「！ 聞こえます」
「そう。今は目の前にいるから通話する必要はないけど、お互いが離れた場所にいる時に使うと、近くにいるように会話ができる。これが通話。それで、この画面の時にこっちを押すと通話が終了する。難しかったら俺から切るから大丈夫だよ」
説明がてら通話を終了する。Aさんは不思議そうに見ていたものの、先程説明した操作について理解できたようだ。
「……とても便利ですね」
「俺もそう思う。それじゃ、今度はAさんが着信を受ける側だよ。俺が電話を掛けるから出て？」
俺はAさんの連絡先を開き、通話の文字をタップする。携帯を耳に当てるとコール音が聞こえた。そろそろかな？
「！？」
「この画面は着信を受け取った時に出るんだよ。これが電話を掛けてきた人の名前。それでこれが応答、こっちが拒否。応答で電話に出るっていうのは教えたよね？」
「はい。……えっと、もしもし？」
電話越しに聞こえた戸惑いの混じったもしもしという言葉。多分俺の真似をしたんだと思う。
「もしもし。聞こえてるよ」
「……これで通話の操作方法についてマスターできたでしょうか」
「できてるよ。Aさんは物覚えがいいからすぐに慣れると思う」
先程教えたように、Aさんは終了ボタンを押して電話を切った。携帯を仕舞うとAさんはこちらを見上げた。
「貴方と話したいと思った時、通話を使えばいいのですね」
「うん。いつも持ち歩いているから基本すぐに反応できると思う。もし出られなかったら俺から電話するよ」
「わかりました」
電話について説明が終わり、漸く帰路を辿る。とは言っても向かっているのは王帝月ノ宮、Aさんを送り届けるため正確には俺は帰路を辿っていない。
……王帝月ノ宮。どんな学校なんだろうか。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
