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「悲しい？ ですが貴方は言っていたではありませんか。泣く時は悲しいと思っている時だと。私はあの時、泣いていません」
「泣くだけが悲しいを表すわけじゃない。
「……難しいですね。別のことであるはずなのに聞いたことのある感情が当てはまる。不思議で複雑です」
「俺もあんまり気にしたことなかったけど、確かに不思議で複雑なものなのかもしれないね」
感情を意識している人っているのかな。みんな自然と使いこなしているように思える。……いや、使いこなしているんじゃなくて、人として当たり前のもの……機械とかでいう標準機能ってやつなんだろう。
Aさんはそれが上手く機能していない。だから感情に疎いんだ。
「氷浦は感情に関して物知りですね。……あの」
「うん？」
「氷浦さえよければ、また教えてくれませんか？」
Aさんの問いに俺は固まってしまった。だって彼女からそんなことを言われると想像していなかったからだ。＿＿＿彼女から求められるなんてことを。
いつもは俺がなんとなく意図を汲み取っていたけど、今Aさんは彼女自身の意思でそう言ったのだ。
「……っ、勿論だよ！ 俺でいいなら！」
「貴方は感情に関するエキスパートだと思います。……ゆうまは感情について教えてくれないので」
「そう、なんだ」
どうして教えてあげないんだろう。野坂もよく分かっていないとか？
前に成績優秀だってマネージャーが言っていた気がするけど……。まあいいか。
「今度からは貴方に聞こうと思います」
「うん、任せて。Aさんの思った気持ちを教えられるように頑張るよ」
「それでなのですが……これの使い方を詳しく教えていただけないでしょうか」
そう言ってAさんが取りだしたのは携帯だ。そういえば携帯の使い方が分からないって言ってたな。
「分かった。そうだなぁ……チャットより通話の方がいいかも」
「通話？」
「そう。このアプリを開いて、こことここを押せば通話が始まるよ。実際に押してみるね」
そう言って俺はAさんの携帯の画面に表示されている通話の文字をタップする。すると画面が通話画面に切り替わる。数秒後、俺の携帯から着信音が鳴り始めた。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
