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彼女が人から向けられる感情や、自分の抱く感情に疎いのではないかと思ったのは星章との試合ではっきりした。
初めて会った時、彼女は思い出せない夢の人を思って涙を流していた。
次に会った時、彼女は”グリッドオメガ”という必殺タクティクスで傷付いた星章を見て何も感じていなかった。
そして今、俺が心配だから王帝月ノ宮まで送るという気持ちに対してもよく分かっていなかった。
だからAさんは感情に対して疎いのかなと思った。
……でも、それにしては少し気がかりなことがある。
『＿＿＿今の貴女は、僕が憧れた
王帝月ノ宮と星章の試合が終わった後、俺はAさんに会いに行った。その時偶然にも対戦相手だった世宇子のアフロディがその場に現れ、彼女に放った言葉だ。
あの時のAさんの顔はいつもの無表情ではなくて……傷付いた、と言っていそうな顔をしていたんだ。
その真意を問いただす前に野坂が現れ、聞く事ができなかったけど……今なら聞いても大丈夫かな。
「Aさんは覚えてるかな。前にアフロディに言われた言葉」
「……アフロディ。世宇子のキャプテンでしたね」
「そう。アフロディに『今の貴女は、僕が憧れた
「！」
俺の尋ねた内容について思い出したのか、Aさんが少しだけ目を見開いた。そして目を伏せて俺から視線を外した。
「自分は言われたことに対して何も思ってはいけないのです。それが正しい事であるから。ですが、あの時アフロディの言葉を聞いて何故か……ここが痛かったのです」
そう言ってAさんは自分の胸へと手を伸ばし、弱い力で握った。そこは心臓のある場所だった。
「このことをゆうまにも話しました。ですが、ゆうまは何も教えてくれませんでした」
心臓が痛い？
それは少し違う気がする。ということは……心が痛い？
「氷浦。貴方には何か分かりますか？ どうして自分はアフロディの言葉を聞いて、ここが痛かったのでしょうか」
「……これが正解は分からないけど、Aさんはアフロディの言葉を聞いて悲しかったんだと思う」
Aさんに当てはまるもの……それを考えたら、やっぱり彼女はその言葉を言われたことが悲しかったんじゃないかって思った。
Aさんとって言われたくなかった言葉だったから悲しかった。俺はその意味を込めて彼女に言葉を伝えた。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
