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Aさんを連れてきたのは、雷門中から少し離れた場所にある河川敷だ。聞いた話によると、元雷門中の人達はここで練習していたらしい。回数は少ないけれど、俺達も何度かここを使用した事がある。
「……ここ」
「知ってるの？」
当時、元雷門の人達は弱小サッカーチームと呼ばれ、学校のグラウンドが借りられなかった溜めにここ河川敷で練習をしていた。しかし、勝ち上がっていく内に実力を認められ、校内で練習できるようになったとか。
Aさんは元雷門中であるが、彼女は雷門中が一気に注目を浴びるようになった去年夏のFFには参加していない。だから、ここで練習したことはないのかもしれない。……と思ってたけど、この反応もしかして……
「知らない、はずなのに……何故か覚えがある気がします」
「！」
前に聞いた内容から何となく思っていた事がある。
自分が元々雷門に所属していた選手であった事……そんな大事な事を覚えていないなんて事、普通はあり得ない。だから必然的にこう思うことになる＿＿＿Aさんは”記憶喪失”なんじゃないかって。
アフロディとAさんの会話が答えを言っているようなものだ。アフロディはAさんの事を親しげに呼んでいるみたいだったから、一方的ではないはず。となれば、あの二人は元々接点があり、他校であれど交流があったと言う事だ。
「前にさAさんは大切なことを忘れているって言ったでしょ」
「夢の人の話ですか？」
「そう。でも、Aさんはまだ沢山のことを忘れているはずだよ」
思い出してほしい。
その一心でAさんに話した。俺達が今まで戦ってきたチームにいた強化委員……元雷門のメンバーについて尋ねてみた。
しかし……
「豪炎寺修也。炎のエースストライカーと呼ばれる元雷門のエースストライカー。勿論知っています。彼の強さはこちらも認識していますが、本戦に上がれなかったと言う事は、周りが足を引っ張っていたんでしょう」
「え、えっと……じゃあ風丸さんは？」
「風丸一朗太。蒼き疾風と呼ばれる元雷門の選手ですね。こちらも本戦に上がれなかったので、あまり興味ありません」
「……鬼道さんは？」
「ピッチの絶対指導者、鬼道有人。本戦で戦いましたが、大したことありませんでしたね」
次に染岡さんに対する質問をしようとしたが、口が動かなかった。だって、Aさんはもう元雷門……仲間だった人達を何一つ覚えていないと感じてしまったからだ。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
