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「貰ったで〜！ てやぁ〜！ ……わあっ」
……大きく振りかぶった割にはかなりスローなシュート。いや、普通に空ぶっただけ？
勢いのないボールが雷門のゴールキーパーの元へと転がっていく。そしてボールをキャッチした。
「……やっぱり下手」
うーん、確かに上手いとは言いがたい。何故白兎屋なえを交代させたのか疑問だ。選手としてはあのスピードだけしか良い所はないかな。
「……？」
仮に白恋が決勝まで上がって僕達と戦うとなった場合……プリンセス対決はこちらが勝つだろうね。プリンセス対決にかかわらず僕達が勝つけど。
「……もしかしてあれ、ドリブルのつもり？」
「そうなんじゃない？」
「下手」
どうやらAは初心者に対しては辛口のタイプのようだ。白兎屋なえのプレーが居心地悪いらしい。まあ普通このような大会で初心者が出てくるのは珍しい方だと思う。以降の試合で彼女の機嫌が悪くなることはないだろう。雷門が勝てばね。
「あと、うるさい」
Aの機嫌が悪いのは白兎屋なえのプレイだけじゃないようだ。白兎屋なえの名前が印刷されたうちわを持つ観客の声に反応しているらしい。
「おや、応援の声なのに？」
僕の声にAはコクッと頷いた。今までそんなこと一言も口にしてなかったのに。白兎屋なえのプレーに感化されちゃったのかな？
「応援については一旦置いておいて、君にとってあの子は興味深いんじゃないかい？」
「どうして？」
「速さは君という選手を構成する要の1つだ。それをあの子も持っている。似た共通点があるからこそ惹かれる気がするけれど」
僕がこうして君を気に掛けているのも、僕と共通点があると思っているからかもしれないね。
「……速いのは認める。けど、何度見ても下手」
あの子が速さ以外でサッカー選手らしい所があれば、Aの下手連呼は止まるかもね。ま、一試合出場しただけで成長するとは思えないけど。……普通は。
「”シロウサギダッシュート”！」
一人で上がってきた白兎屋なえはシュート体勢に入る。先程のミスキックが嘘のようにボールに力が入った。……と思えば、陸上選手がやるクラウチングスタートの構えを取り、先を飛んでいくボールに向かってダッシュ。へぇ、まさか必殺技が使うなんてね。
「”ウズマキ・ザ・ハンド”！」
雷門のゴールキーパーが止めようとするも、速かったのか捉えきれずボールは素通り。
2-3
白恋に得点のホイッスルが鳴り響いた。
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恵野(プロフ) - 青碧さん» コメントありがとうございます。惹かれるなんて嬉しい言葉、ありがとうございます…！ 実は書きながら履修している状態だったりします汗 ちょいちょいオリジナル展開を挟ませていただいているので、履修する際はお気を付けください…！ (2022年5月17日 21時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 初めまして、青碧と申します。文章の書き方に惹かれて気づいたらここまで読んでおりました…そのくらい惹き込まれる展開でございました！アレスは未履修ですが楽しく読ませていただいております！これからも応援しております！ (2022年5月17日 21時) (レス) id: d3cfc8958d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年11月7日 15時
