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明るく笑ったAちゃんは、「あっ」と小さく声を漏らすと部屋に入っていく。
どうしたのだろうと考えていると、すぐにAちゃんが戻ってくる。
「疲れたときは甘いものがいいんだよ」
そう言い、パーテーションの端からAちゃんの小さな拳が現れた。
「はい」
「……ん？」
俺がAちゃんの拳に手を差し伸べると、そっと拳を広げる。
「チョコレート」
「うん。私のゲームのおともなの」
どうやらくれるということなのだろう。
ありがたくチョコレートを受け取ると、どこにでもあるような一袋に個包装で何十個も入ってるようなキューブチョコレートが何となく特別なものに感じた。
個包装からチョコレートを取り出し、口に含むとカカオの香りとチョコレートの甘みが口の中の温度と共に溶けて広がる。
「……甘いね」
「うん」
ありふれた感想は、果たしてチョコレートのことかこの雰囲気のことか。
分かっているはずなのに分からないフリをする。
チョコレートを受け取るとき、ワザとらしく手に触れたくせに。
「……甘いの好き？」
「うん、好き」
もう３０になるくせに、こんな単語一つに胸がトクンと鳴る。
まるで中学生みたいな反応に、一人でそっと苦笑いした。
パーテーション越しで良かったかもなんて、夜空を見上げながら思った。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
