宮玉の交換日記

11 玉 ページ11

ほんの少しだけ勇気を出して
みたものの




どんな顔をしていいかも
目線もどうしていいのかも分からず……
なんだけれども
としくんの様子が気になる〜〜




やらされてる感が満載の顔をされていたら
スゲーショック！
ご飯に行けなくなる………




ショボボボってなっちゃう。




どうか、あの仏の微笑みをしていますよーに
と、お祈りをしながら
薄っすらと目を開けて恐る恐る
鏡越しに、としくんの顔を見てみると





何時になく真剣な表情で
不器用な手つきで、汗をかきながらも
一生懸命に髪をセットしてくれている。





仏の微笑みは、していなかったけれど
真剣な表情と
不器用なのに頑張っているのが分かる姿に
無表情でなんのリアクションもしていない
表面上とは裏腹に心臓は




バックンっバックンっ




と物凄い勢いで音を鳴らして
速度を速めていく。




正直、仕上がりには
全く期待は全くしていない……
寧ろ、カッコイイ髪型に仕上がったら
それは奇跡だと思っている。





でも、
そこは問題じゃないんだよ〜〜〜〜





としくんが俺の為に
これが大事でスゲー嬉しい〜〜
この一生懸命な姿と髪に触れている
これだけで、かなりの夢心地気分。




多少変でも、
帽子をかぶってしまえば問題無し〜〜




あぁ〜〜ヤバイな〜〜ヤバイよ、ヤバイよ
出川さんバリにヤバイ！




ご飯前にこんなサプライズ的な
嬉しいご褒美をされたら…………




天邪鬼な部分が出ちゃうじゃないか
波浪警報が発令しちゃう…………




「よおぅし！どう？この髪型？姫の為に全力で頑張ってみました。」




ウダウダ、グダグダと頭の中で
渦も管も巻いている最中に
としくんからの完成した合図がやってきた。




またもや、違う意味での恐る恐る
薄っすらと目を開けて鏡を見てみると




マジか……。




思っていたよりも、
かなり良い感じの出来映えに
逆に絶句。




まさか、まさか、まさかの奇跡！




イケてる髪型に仕上がってる。




「やっぱり……お気に召さない？あっはははは〜〜だよね〜〜俺じゃイケてる髪型にするのは無理…………」





「………あっあっ……ありがとう。大丈夫これで行って……やる。」





本当は、飛び付いて喜びたい位の出来映え
だけれど…………
今の俺に出来る精一杯のお礼をした。




警報通りに天邪鬼な部分登場！
でも、何時もよりは素直なはず。




「良かった〜じゃあ、ご飯行こう。」




「あぁ。」




警報は、継続中なり。

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