妖か人間か 前編 ページ40
「貴方の家は?」
「あるには…あるけど。」
「じゃあ、そこの住所言ってみなさい。
私が連れて行ってあげるわ。」
「えぇと、」
住所だけではなく覚えている限りの情報を吐き出す私に、レイコさんはどんどん眉を潜ませていく。
「はぁ…そこまで事細かく言えるのに、
貴方が迷子だって事が疑問に思えるわ。」
「お願いしますよ…」
貴方しか今頼れる人間はいないんですから…と手を擦り合わせて懇願する私。
もうプライドなんて物は
そこら辺のドブ川に投げ捨てた。
いや…ここら辺、山には近いから
綺麗な川だけしかなかったわ。
「わかった、わかったから!
やめなさいよ、その頼み方…
変な人だと思われるじゃない。」
「もう十分変な人
認定されてるからいいじゃないですか。」
「なっ?!貴方も
十分変人の域を出ないわよ!」
仕方がないわねぇ、
と言いながらも彼女は歩き出す。
どうやら、本当に
つれていってくれるようだ。
「ねぇ、」
「何です?」
「Aって、妖見えるんでしょ?」
「はい?さっき言いませんでした?」
もしかして話聞いてない?
と私が冗談で言うと彼女はムッとする。
「違うわよ!確認よ、確認。
じゃあ…ほら、あれも?」
そう言って空を指差すレイコさん。
「あー、」
そこにはいくら目を凝らせど何も存在していない。
ただの空しか見えなかった私。
「ん?」
21人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ