これは前世の報いなんですか？第二章【夏目友人帳】

喧嘩という訳でもない　中編 ページ34

「どうしてこんな所で寝ているの？貴方。」

「…、」

いつのまにか寝てしまっていたのか。
私は体を起こして、目の前にいる人を見て固まる。

「あれ…？夏目…君？」

「あら、私の名前知ってるの？」

どうして此処に、今は学校じゃ、
なんて思ったが、いや、待てよ…
と私は思考する。

「違う、お前、夏目君じゃない！
え？だ、だれっ？！
いや、ほんとっ、誰、お前っ？」

顔こそ似ているが、夏目君は男だ、
目の前にいるこの人の髪は
長いストレート髪で、女…

よってこの人は夏目君じゃない。

「プハッ、アハハハハ、
貴方って面白い人ね！

私の事知ってるのかと思えば、
そうじゃないみたいだし」

「？」
お腹を抱えて笑い始めた彼女に
私は首を傾げるしかできない。

待ってくれ、状況を整理させてくれ。

「な、名前は…？」

「あら、人に名前を聞くのなら
まずは自分からって言うでしょ？」
彼女は人差し指を口元に当てて
言わないとそう言う。

「私の名前は、御宿A。」

名前を出し惜しみせずに即座に答えた私に彼女は目を見開くとクスリと小さく笑った。

「御宿A？そうなのね？

貴方、人間よね？」

「はい？見た目通り人間ですけど！」

半分、妖混ざってますけどね、
とは言わずに言葉を呑み込む。

「あ、あのさ、
それで私は言ったけど、貴方の名前は？」

「私の名前？
ふふふ、教えなーい！」

嘘だろ、こいつ。

イラッとした、尋常じゃないほど。

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