下水の中の優しさ 後編 ページ27
帰ってくるなり、
小さな悲鳴をあげたれいじ君。
その顔はまるで誰かの悲報を聞いた時のようなほどに、真っ青だ。
「れいじ君！私は大丈夫！」
安心させようと私は
ほら！と言って包帯を巻いた手をグッパーする。
その瞬間感じた尋常じゃないほどの痛みに、
私は唸って地面に座り込む。
あ…やっぱ、これ大丈夫じゃねぇわ…
超痛い…
まるでまだ針でチクチクとされているようだ。
「Aさん、
何を無理しているのですか？」
そんな私に的場が後ろから声をかけてくる。
「妖術の効果が切れるまで、
安静にしていないといけないと言うのに。」
「それを早く言えよ！！」
ハッとして私はれいじ君の方を見る。
案の定、心配したような顔の彼は、
私を見ながら目尻に涙をためて
ワナワナと口を震わせていた。
「は、母上…？
も、もしかして…死んでしまったりは…？」
「あ、あぁっ！
こんなのなんて事ないから！
死なない！絶対に死なない！！」
泣いてしまいそうな彼を私は抱きしめる。
そしてまさかの人物がれいじ君の頭を撫でる。
的場はニコリと微笑みながら彼を安心させるかのような声音で言った。
「れいじ君、心配せずとも
Aさんは大丈夫ですよ。」
「的場…お前。」
彼がこんな事をする人だとは知らず、
私は人間らしく、優しい所もあったんだ、
と心の中で彼に対する考えを改めようと決心した。
「彼女は案外…しぶとい方なので。」
いや、やっぱ、やめだ。
こいつはクソを下水で
長時間煮込んだような性格してるわ。
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます！全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので！これからも頑張ります！ (2020年11月7日 6時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます！初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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