腕のあざ 後編 ページ23
今まで黙り込んでいた妖二人が、
そんな私に近づいてくる。
「それにしてもこの娘、
祓い屋としての霊力以前に
何やら不思議な気配が？」
「不思議な気配！不思議な気配！」
「どう言う事だ、中級？
不思議な気配？Aさんが？」
「そうだねぇ、確かに気にはなるね。
人には感じないかもしれないけど、
夏目、見たんだろう？山神様の目を…」
「あぁ、そうだが。」
「えっ？」
もしかして夏目君に
あの時見られていたのか？
「まぁ、それが何よりの証拠さね。」
「此奴、半分、私達と同じ気配を感じる。
妖らしきものが取り憑いて居るのか、
それとも元からそうなのか…
どうなんだ、御宿。」
「あ、あはは…さぁ？」
ヒノエと言うらしい彼女は
戸惑う私に詰め寄る。
「…、どうやら何か知っているようだね。
御宿の娘、洗いざらい
話してもらうとしようかね。」
「う、うぅ。でもなぁ…えぇ？」
グイッと顔を近づけられ、私は仕方なく頷く。
「…わ、わかった…よ。」
ここで黙っていてもどうしようもない。
実際に妖達の方が私よりも
ずっと知っている、山神様の事なんて初耳だったし。
私は自分の今までの事、
そして封印されていたであろう木箱を壊してしまった事を話す。
「どうしようもないですなぁ。」
「あぁ、本当に御宿なのか疑うな。」
途中、呆れたようなため息が
聞こえたりなどした。
しかし、一人、
そうでもない反応をする人がいた。
「私の話はこれだけ。
そろそろ本当に帰らせてよ…」
「ま、まさか…
でもあんたの言った通りならば、
全てが繋がる…
あんたの母親は、祓い屋だったかい？」
「…？そうですけど？
元は御宿家の当主でしたけど…
死んでしまったので、
その件は私の叔母に流れましたよ。
まぁ、今となっては当主なんて
堅苦しいもの、ならなくてよかったですけど。」
そう思うと的場も当主として
大変な思いしているのだろうな。
「まさか、この噂は本当だったのかい…
ただの与太話とでも、思っていたんだけどね。」
「何のはな、し。」
その時、ぎゃっと目の前で妖達の叫び声がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます！全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので！これからも頑張ります！ (2020年11月7日 6時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます！初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
