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夏目の記憶 後編 ページ3

夏目視点(過去編3)

「うわっ、先生!」

何も喋らずに少し間考えていると、
突然肩に衝撃を感じ俺は驚く。

「突然、乗っかってくるなよ。」

いつもとは違う雰囲気の先生。
コソッと俺の耳元で小さく伝えて来た。

(周りの匂いで気づかなかったが、
そいつ、強い的場の匂いがするぞ、夏目。
気をつけろ。)

え?この子が!?
驚きから俺は目を見開き彼の方を見る。

的場一門、あまり良い記憶がない。

冷静沈着な当主、的場静司…
彼は妖をトコトン嫌っており、
ニャンコ先生を殺されそうになったりと、
全くと言っていいほど、嫌な記憶しかない。

「どうかしましたか?」
俺は彼を見ている事に気づいたのだろう、
彼は首を傾げながら聞いてきた。

「あぁ、いや、
君の名前、聞いてもいい?
俺は、夏目、夏目貴志。」

「夏目、貴志…さん。
僕は、的場れいじです。」

ふわりとした笑顔で答える彼。
しかし、俺たちの心は驚きで埋め尽くされていた。

的場という姓に、俺だけではなく
ニャンコ先生ですら転げ落ちそうになる。

まさか、的場家の血縁だとは、
思いもしなかった。

(あやつに血縁者がいたのか?
的場の子供?いや、兄弟か?)

まず、あの人に家族らしき影すらも
なかったというのに…

そうなると、彼が「母上」と
呼び待つその人がどうしても気になってしまう。

年齢として、
あの人に子供がいるとは考え難い、
つまり、兄弟である可能性が高いと
俺とニャンコ先生は断定する。

「あ、あのさ、」

彼に話しかけようとした直後、
急にガタリと音を立てて、
彼は椅子から立ち上がると、
何かを感じたかのように空を見あげる。

「ははう、え…」

母上、微かに彼がそう呼ぶ声が聞こえた。

「っ、」
その瞬間、
俺は自分の目を疑った。

空を見上げる彼の目は
さっきまでの両目とは違っていて。

瞳孔が赤く光り、
その白目が真っ黒に染まったいたからだ。

夏目の記憶 後編2→←夏目の記憶 中編



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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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