5.F ページ18
F side
T「ねぇ、オレがミツを本気で求めたら…太輔はどうする?」
今朝、梨壺の寝所で玉森からの挑発にオレは上手く交わせなかった。
今、宮中は喪に服さなければならない期間だが、我が国の最高権力者は東宮である玉森だ。
その玉森が望めば、何だって意のままだ。
F「北山は、裕太のモノじゃない」
T「でも、オレが望めばオレのモノにするのなんて簡単だ…その気になれば、今夜寝所に呼んで奉仕させるコトだって」
F「裕太…‼」
そんなものは、玉森の望みじゃない。
オレのせいで、権力を手にした玉森に利用されている北山…宮内省内で、どんな思いでいるのかなんて玉森にはきっと他愛のないコトなのだ。
T「オレを止められるのは、太輔だけ…オレには時間がない。分かってるよね?」
それでも、どうしようもない。
オレには、玉森の望みを叶えてやるコトは出来ない。
もし、玉森が本気で北山を求めたとしたら、オレはその時……
「まだやってなかったのか⁈」
Ki「いや、確かに先程準備して…」
「お前、東宮殿下のお気に入りだからって調子に乗ってるらしいが、
F「おぃ、そこで何をしている!」
入り組んだ廊下の奥まった場所で、誰かを叱責する声がした。
嫌な予感がして急いで向かうと、案の定…目上の公達から詰め寄られていた北山を見つけた。
「これは…藤ヶ谷殿!」
年齢はオレの方が遥かに若いが、官位はオレの方が断然上だ。
相手が、明らかに怯んだのが分かった。
「藤ヶ谷殿には、とんだお見苦しい所を…」
F「何があったか存じ上げませんが、理由も聞かずに相手を責め立てるなど…これでは新人苛めと誤解されても仕方ないのでは?」
「いや、これは…」
F「あまり度が過ぎると、私も今見た事実を宮家を通じて東宮殿下のお耳に入れなければならなくなりますよ?」
「それだけは…!」
Ki「おぃ、ちょっと…!」
F「ただ、この者もまだ入省して間もない時期…覚え切れぬコトもあるでしょう」
Ki「……⁈」
F「…で、どうなんだ? 元いた
北山…と促すと、一瞬オレに牙を剥きかけたが、さすがにオレの意図を察したようだ。
Ki「準備したと思っていましたが、もしかしたら…まだだったかもしれません」
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Mayu(プロフ) - sakyoさん» sakyoさん、2度目のコメントありがとうございます☆すごい絶妙なタイミングだったんですね。実は、私も結構そのテの映像をまえあし3人の姿に脳内変換してます。笑 丁度、たった今まで本作のオマケを『Talk Room』で書いていたので、宜しければそちらもお楽しみ下さい。 (2019年11月3日 22時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
sakyo(プロフ) - 完結おめでとうございました!お話がスタートした時にちょうど観た平安貴族そのままの世界を楽しませていただきました。そしてお話が完結するタイミングで今度は宮中儀礼の展示を観てきたところで、展示の儀式を藤北玉に置き換えながらニヤニヤしてしまいました。 (2019年11月3日 22時) (レス) id: e6f004b7a6 (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - ももはさん» ももはさん、ありがとうございました!みっくんにしか靡かない光源氏的なF氏…ラストは、既存シリーズに通じる安定の嫉妬深さでした。先の読めない展開…お楽しみ頂けていたら、嬉しいです☆最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。次作もご期待下さい☆ (2019年10月28日 23時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - himacoさん» himacoさん、ありがとうございます☆やっと終わりましたー!私の作品の世界観を気に入って頂けて、すごく嬉しいです。オマケは、実はTさん目線のサイドストーリーの予定ですが、藤北ラブも前向きに検討させて頂きますね☆最後までお付き合い頂き、ありがとうございます (2019年10月28日 23時) (レス) id: 202fbd6d68 (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - Mayu様、完結おめでとうございます!Fさんの光源氏とても素敵でした。みっくんとだけ、関係を結んでくれるのが理想ですが(><)笑 本当に本当に知らない言葉もあり、とても勉強になりました。さすがMayu様です!先の読めぬ展開に翻弄されていたファンの一人でしたっ☆* (2019年10月28日 21時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mayu | 作成日時:2019年8月11日 16時