6皿目 ページ26
ようやく試験が終了して、開放感たっぷりの週末を迎えた。
今日はお店を手伝って、何か美味しい賄いでも作って食べちゃおう！
鼻歌を歌いながら身支度を整えて厨房に行けば、いつもいるはずの祖父がいない。
「おじいちゃん、お店開けないの？」
部屋を覗き込んで尋ねれば、「今日は店を休む」と言う。確かに気分次第で開けたり閉めたりする店だけど、週末に休むなんて珍しい。
残念に思いながらも、「厨房使って料理していい？」と聞けば「片付けまでちゃんとするなら」と言うので、早速近所のスーパーへと買い出しに行くことにした。
ーー野菜と、お肉。お魚もいいな。
卵も買わなきゃ。
食材をカゴに放り込みながら、何を作ろうかと考える。わくわくする気持ちと同時に、もしかしたら彼が来るかも、なんて期待が消えて、がっかりした気分にもなる。
「……お店、閉まってたらがっかりするかな」
私じゃなくて、彼が。
それはもちろん、私に会えないからなんて理由じゃ無いけど。きっとコンビニで会った以来、私のことなんて思い出してもいないだろう。
彼に会ったらまず、先日貰ったコーラは投げたせいか、ノートの上で大爆発した事を伝えないといけない。だけどその爆発で半分くらい減ってしまって残念に思った事、残りの半分を大事に大事に飲んだことは、黙っておかないと。
そんな風に考えていたら、なんだかジャンクな物が食べたい気分になって、袋のラーメンとコーラをカゴに追加する。
ぐうと鳴るお腹を押さえてスーパーを後にすれば、曲がり角の先に、見知った姿がぽつり。
看板の出ていないお店の前で腕組みしているから、私は急いでそこに駆け寄る。
「お、オッパ……！」
「……店、今日休み？」
「はい、そうなんです」
「お、マジか」
「そんじゃ、また来るわ」
少し眠そうな目をこちらに向ける。もしかすると、また徹夜明けかもしれない。
わざわざ来てくれたのに申し訳ない、なんていうのは建前で、ただ、私が。
「あの！ よかったら
ラーメン、食べて行きませんか？」
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました！初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました､!! (2023年3月10日 20時) (
レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます！今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます！ (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます！このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございました……！まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください！ (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：my | 作成日時：2020年2月16日 0時
