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いつも余計な事ばかり喋る口から、ひゅうと息だけが漏れて、続きが出てこない。
言いかけた私を不思議そうに彼が見つめるからはっとして、何か別の事を言わなきゃと焦る。
「えっと…………あ、
そっちこそ、どうしてコンビニに？」
「別にコンビニくらい行くだろ」
「もしかして、まだ
仕事中だったりします？」
「…………」
問いかけには答えてくれなかったけれど、その沈黙は恐らく肯定だろう。
また朝まで仕事をしているのだろうかと思うと、私とこんな風に歩いている場合では無いのではと言いたくなる。
それなのに「無理しないで」なんて前はあんなに簡単に言えた言葉を、何故だか言い淀んでしまう。
「別に」
「え……？」
「好きなことしてんだから
いいって前も言ったろ」
「なんで……」
「顔に書いてあんだよ」
私の言えないことも、簡単にわかってしまう。
この人は人の心が読めるのかなんて疑ってみて、そんなわけないと首を振る。
キャップとマスクの間から覗く白い肌と鋭い目が、外灯の少ない道でも光っているみたいによく見えて、全部を見透かされているような気分だ。
本当に顔に書いてあるなら、まだいいけれど。
「そっちこそ、試験勉強なんだろ」
「あ、はい……」
「あー……まあ、頑張れよ」
とてもそんな雰囲気じゃ無いけど、「今の録音したいからもう一回言って」なんて言いそうになって、それからおかしくなってふふっと笑みを溢す。
彼は自分の言葉のせいだと思ったのか「笑うな」なんて言って睨むから、何だか私の中の張り詰めていた気持ちがすっと軽くなる。
私たちって、確かこんな感じだった。
「あはは、すみません
でも、嬉しかったから」
もう少しだけこうしていたいのに、だめだ。
家に着いちゃう。
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました！初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました､!! (2023年3月10日 20時) (
レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます！今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます！ (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます！このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございました……！まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください！ (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：my | 作成日時：2020年2月16日 0時
