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もう帰ったとばかり思っていたのに、どうして。
そんな風に立ちすくんでいる私を見透かすように、スマホをポケットに突っ込みながら、彼は「何時だと思ってんだよ」と言った。
「あ、さっき丁度時計見たんですけど
22:45くらいで……」
私が答えるのを聞きながら、キャップとマスクでほとんど隠れた顔を手で覆って、はぁと盛大なため息を吐く。
それから有無を言わせない様子で「帰るぞ」と歩き出すから、慌ててその背中を追った。
「……お前、いつも
こんな時間にうろうろしてんの」
「え、あ……今、試験前で
気分転換に、何か買おうと……」
自分から聞いてきたくせに、「あっそ」とどうでもいいような言葉を返してくる。
それから少しの沈黙の後、「ああ、そういう事か」と、何かに納得したような盛大な独り言を漏らして、彼は歩きながらこちらを向く。
「最近、店に出てないだろ」
「あ……はい
試験期間が始まってからは」
「……だから居なかったんだな」
「…………」
そうだけど、そうじゃない。
本当は、お店に出ようと思えば出られる日だってあった。
だけど、出なかったんだ。
「お店、来てくれてたんですか」
「おん、2回くらいだけどな」
「そうなんだ……」
貴方がお店に来ているか期待したり、来なくてがっかりしたり。また知らない人みたいに扱われたらどうしようなんて少し怖くなったり、だけど一緒にごはんを食べた日を思い出したり。
そんな風に心が揺れないように、私は。
「……どうして」
なのに、どうしてあなたは。
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました！初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました､!! (2023年3月10日 20時) (
レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます！今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます！ (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます！このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございました……！まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください！ (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：my | 作成日時：2020年2月16日 0時
