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「ヒョン!
この方がスマホを忘れてたので……」
「すいません……!
わざわざ走って来てくださったんですね」
「いえいえ、どうぞ〜
忘れ物気をつけて下さい!」
「ありがとうございます」
爽やかに薄桃のカバーのスマホを差し出すアメリカーノの人。
その後ろから追いかけてきた小柄な人は、パーカーのフードを被って、こちらもマスクを着けている。
パーカーのフードからは真っ黒な髪の毛が覗いていて、マスクとの間の白い肌には細い目。
「あっ」
ほとんど同じタイミングで声を上げて、目を見合わせる。
見間違いでなければ、多分。
「……?
ヒョン、知り合いの方ですか?」
「あー……
いや、違う」
「えっ、でもーー……」
「いいから行くぞ、時間ない」
「あぁ、
待ってくださいよヒョン〜!」
ぱたぱたと駆けていくふたつの後ろ姿を見ながら、何も言えずにその場に立ち尽くしている。
知り合いかと言われれば、違うかもしれない。
名前も知らない、仕事も、連絡先も、どこの誰なのかも。
ただしばらく見ないうちに薄い色素の髪が真っ黒になっていたことも、背けられた顔も、言葉も、今までの全部が無かったみたいで、少し寂しい。
「うわ、クリーム溶けてる……」
握り締めたフロートの、中身はぐちゃぐちゃ。
それが今の気持ちによく似ているような気がして、なんだか釈だ。
ズズッと勢いよく啜った甘さはもうなんの癒しにもなってくれなさそうで、とにかく刺激的で、泣けちゃうくらい辛い料理が食べたいと思って、走った。
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました!初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました、!! (2023年3月10日 20時) (レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます!今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます!このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません!コメントありがとうございました……!まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください! (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:my | 作成日時:2020年2月16日 0時