一緒にごはん

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どっさりと出された課題に気持ちが重くなる。

友人の追及からなんとか逃れて、遅れてやってきた教授の講義に耳を傾けたところまではよかった。
眠たい話に耐えるだけでも大変なのに、とにかくとんでもないレポートの量を課されるなんて。


「自分は遅れて来るくせに……
課題ばっかり多いんだから」


週末はお店を手伝いながら新しいメニューの試作でもしようと思っていたのに。
もしかしたらあの人だって、来るかもしれない。
スーパーで食材を買って帰る予定を変更して、カフェで甘い飲み物を買うことにする。
とびきり甘くて、癒されるようなやつがいい。


「一緒に、ごはんか……」


友人の言葉を思い出しながら、カフェの注文列に並ぶ。
こんなオシャレなカフェにあの人がいたら、と想像して、少し笑いそうになる。甘いホイップやアイスクリームより、ご飯の白が似合う。

だけど例えば、今日の夜食べたいものとか、何が好きで、どんな仕事をしているとか、そんなことが知れるなら、カフェでも、お店でも、道端でも、どこだって、悪くない気もする。


「次の方、ご注文をどうぞ」

「あ、はい」


ぼうっとしていた所で、注文を促す声にはっとする。
どうやらちょうど混雑する時間帯だったようで、仕方なくテイクアウトを選択する。
アイスクリームの乗ったフロートを受け取ってカフェから出るとすぐに「すみません！」と声がかかった。


「あの、忘れ物です
スマホ！」


アメリカーノを片手に帽子とマスクを着けた青年は、カフェの列でちょうど私の後ろにいた人のようだ。
走って追いかけて来てくれたのか、手元のアメリカーノは容器の中でゆらゆらと揺れている。

そしてその後ろから、さらにもうひとつの影。


「……おい、急に走り出すな
何してんだよ」

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