検索窓
今日:38 hit、昨日:23 hit、合計:154,811 hit

. ページ17

はぁ、とため息を吐くと、くつくつと笑い声が聞こえる。私のこういう話がよっぽど面白いのか、友人は手鏡なんか放り投げて、こちらに身を乗り出している。


「ただのお客さんっていう割に
気にしてるじゃん」

「ん〜、そうだよねぇ……」

「好きなんじゃないの?」

「わかんない
最初からなんか気になってて」

「Aがそんな風になるの
珍しいじゃん」

「うん……だよね」

「なんで来なくなったんだろう
仕事忙しいから?」

「…………
私が変なこと言ったからかも」


前回、彼がお店に来た時の帰り際、私はまた余計なことを言った。だけど私からしたらそれは、ただ頭の中に浮かんだ、思ったことを伝えただけで、何の悪気も無かった。その時自分がどういう気持ちなのかも、よく考えもしないまま。


「あんた、何言ったの?
すぐ顔と口に出るんだから……」

「うーん……」

「勿体ぶらなくてもいいでしょ」

「その人と話したかったから
他にお客さん来なくてよかった的な?」

「いや、それ好きじゃん
好きのやつじゃん」

「そうなのかなぁ」

「好きじゃないならなんなの?
Aはその人とどうなりたいわけ」

「わかんない
……わかんないけど」


会いたいというより、話したいとか、ましてや触れたいとかいうより、そういうのより。


「ただ、一緒にごはんが食べたいなって……」


そう言えば、友人はおかしそうに「何それ」と笑ってから、「でも、Aらしいかもね」なんて続ける。
私らしいって、一体なんだろう。
いい話が聞けたと満足そうな彼女は、嬉しそうににっこりと笑う。


「Aが一緒にごはん食べたい男なんて
そんなの、めちゃくちゃ好きじゃん」

.→←4皿目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (419 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1223人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , ウジ , ジフン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました!初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました、!! (2023年3月10日 20時) (レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます!今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます! (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます!このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません!コメントありがとうございました……!まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください! (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:my | 作成日時:2020年2月16日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。