maybe, i love… (ページ25)

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知ってる、大好きな声。

だけど

いつもとは違う声に目を開けると

私の隣には

女の子の振り上げられた右手を掴む

廉くんがいた。

「もうええやろ。その辺にしとき。」

『廉くん…』

さっき聞いた声はすごく怖い声だったのに

今はもう、落ち着いた声で

女の子をなだめている廉くん。

なんで、そんなに優しいの。

"なんでですか？二股されてるのに！"

「アホか笑、

紫耀とAのことは俺が1番知ってんねん」

"じゃあこの写真は？！"

「ふっ笑」

それでも収まりきらない女の子に

写真を見せつけられても

廉くんは依然として落ち着いてて

しかもこんなタイミングでさえ、笑ってみせた。

.

「俺はただコケそうになったAを支えただけ」

「まあ、紫耀のはどういう状況か知らんけど笑」

「そもそも、俺とA付き合ってないからな？」

廉くんが庇ってくれて嬉しいはずなのに

最後の一言に、一気に落とされる私。

そっか、

だって廉くんは、

私は紫耀先輩のことが好きだと思ってるんだもん。

.

"でも…！"

「まだなんかあるん？」

それでもまだ納得しない女の子に

廉くんもそろそろ口調がきつくなってしまって

みんなの王子様である廉くんを奪いたくないし

廉くんにももう、迷惑をかけたくなかった。

.

『ごめんなさいっ！誤解させてしまって。だけど、

廉くんとも紫耀先輩とも本当に何もないの。』

"そうなの…。"

『本当にごめんなさい。

もう、誤解させるようなことはしないから。』

"うん。私こそ、やりすぎた。ごめんね。"

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これで、一件落着だと思っていた。

ーーーーチッ。

それでもまだ、私を

気に食わないと思っている人が居るとは知らず。

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