大切なトモダチ ページ42
ツ「Aちゃん、本当にごめんね！！このままだと風邪ひいちゃうから、ウチ寄って行ってよ！」
「・・・。」
沢田君は濡れている私を見て、そんな事を
言ってくれた。
沢田君は優しい。
優しいけれど・・・。
「・・・。」
伝えたい事が伝わらない。
言いたい事が言えない。
私の事を・・・
分かってくれない。
ツ「・・・Aちゃん・・・？」
「・・・・。」
私はそう考えて悲しくなった。
私は泣いていないけど、心の中の私は泣いていた。
そんな心を現すように私の代わりに雨が泣く。
ラ「あららのら〜ツナ、Aの事泣かしたもんね！！」
ツ「えっ！？」
「・・・。」
腕の中のその子がそんな事を言った。
小さい子供は大人の心を敏感に感じ取ると
聞いた事があるが、本当かもしれない。
この子は・・・わかってくれているのかな。
私は腕の中で私を見上げるその子を見つめる。
その子も私の事を見つめていた。
私はその子の頭を優しく撫でる。
黒く、もじゃもじゃしたその子の頭は思っていたよりも
ふわふわで、実際に触る事なんてできないだろうけど、
雲の触り心地がこうだったらいいのになんて思った。
「・・・。」
私はその子をゆっくりと地面に下し、鞄から
メモとペンを出すと言葉を書く。
この子はイタリア語が読める。
私の言いたい事が伝わる数少ない大切な友達だ。
私は自分の伝えたい事を書くと、その子に
メモを渡した。
沢田君はそのメモを覗いていたけれど、
顔をしかめている。
全部イタリア語で書いたからきっと読めないハズだ。
「・・・・。」
ツ「？」
私はメモを読み終えたその子に向かって口の前で
人差し指を立てた。
すると、その子も私と同じように真似をする。
ラ「！！しー！だもんね！！」
ツ「え？えぇ？？」
メモの内容は私とその子、２人だけの秘密。
沢田君は理解できずに私達のやり取りを見て
混乱している。
「・・・。」
ツ「！Aちゃん？？」
私は鞄と傘を回収すると沢田君に頭を下げる。
沢田君は私を呼び止めたけど、私は足を止める事無く、
そのまま公園を後にした。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
