彼女の真似 ページ34
「・・・・？」
雲「！」
僕が手を握ると彼女は目を開けた。
そして強く僕の手を握り返す。
しかし、彼女の目には涙が溜まっていて、
僕が良く見えていないようだった。
「？・・・っ！！！」
雲「・・・。」
彼女はゆっくりと瞬きをした。
その瞬間目から涙が零れ落ちる。
目を開いた彼女と目が合う。
彼女は凄く驚いていた。
雲「・・・・・。」
「・・・・。」
彼女は状況を理解できていないようで、
辺りを少し見渡した。
僕はそんな彼女を黙って見下ろす。
雲「・・・君、お昼は食べないの。」
「！・・・・・。」
彼女からの反応が無いので、僕は彼女の握っていた手を
そのまま引き寄せ彼女の体を起した。
すると彼女は僕からそっと手を離す。
雲「・・・お昼。買いに行かないと無くなるよ。」
「・・・。」
僕はそう言うと何事も無かったかのように
机に戻った。
一体どんな夢を見ていたのか気になったけれど、
涙を流し震えてしまうような夢の事など
思い出させる必要も無い。
僕はそう思って何も聞かなかった。
「・・・。」
彼女は目元の涙を手で拭うと、
僕に頭を下げてから応接室を出て行った。
雲「・・・。」
僕は彼女が出て行った扉を見つめながら考える。
先程彼女が眠りながら口にしていた言葉。
あれが一体何だったのか
僕には分からなかった。
雲「・・・。」
あれは・・・
きっと彼女の本心だ。
そう。
あの言葉は声を出せない彼女の心の声。
その言葉を理解した時、
彼女の本当の姿が見える気がする。
雲「・・・・・・・・。」
僕はそこまで考えて・・・・気が付く。
僕が・・・
ここまで彼女に興味を持つなんて。
雲(・・・らしくない。)
いつもと変わらない応接室で
僕は静かに彼女をまねて、音を出さずに
口を動かした。
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猫のこたつ(プロフ) - 優しいお言葉ありがとうございます！皆様にはご迷惑お掛けしまして、申し訳ないです… (2019年12月25日 6時) (
レス) id: e086e98a44 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ゆっくり安静にしてくださいな。お気を付けて (2019年12月24日 21時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年11月28日 10時
