終天に巡り逢うⅣ (ページ47)

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番外編１３ページ47

「やぁ、来たよー」

性懲りも無くまた現れる百夜教の男ー斎藤もとい、リーグ・スタフォード第二位始祖。

『…暇なの？』

鬱陶しさを隠すことなく問うも、彼はニコニコと笑みを浮かべる。

「暇じゃないよ。でもAに会いたくてさ」

『…ロリコン…』

「そうじゃないからね？」

『変質者』

「それも違うよ」

『ヘンタイ』

「なんでそうなるのかなー」

リーグはへらへらと笑う。

『…きっ…』

「本気トーンやめてくれるかい？流石に僕も傷つくよ」

『無理だわ』

「ねぇ聞いてる？」

無視して空を見上げる。

「お星様が綺麗だねぇ」

『思ってないでしょ』

「まぁねぇ。僕は何千年と夜空を見てきたからね」

『ぱぱーぱぱー。会いたいよーって？』

「あはは」

と笑い、リーグは私をひょいっと持ち上げて自分の膝に乗せる。

「ちゃんと食べてる？軽すぎない？」

『食べてるよ。おまえは私のオカンか』

「うーん。あながち間違いでもないよねぇ」

…確かに。
と嫌そうな顔をすれば、彼は笑って私の頭を撫でる。

「君、なんでそんなに知ってるのかなぁ」

『なんでだろうね』

「教えてよー」

『やだ』

「えー」

さほど残念がってもいないのに、落胆したような声を出されてイラっとする私の頬を突いてくるリーグ。

「もうすぐロシアに行くんだって？」

『なんで知ってるの…って聞くだけ無駄か』

「あはは。僕の可愛いAさんが遠くに行っちゃうから寂しいなぁ〜」

『は』

「ああ〜僕の可愛い可愛い子供がいっちゃうのかぁ」

『うるさい』

「気を付けてね。あそこは吸血鬼がたくさんいるからさ」

『たとえばあんたの兄弟とか？』

試すように言えば、リーグは笑みを深めた。

「それも知ってるんだ」

『うん』

「なんかもう驚かないよ。君が色々知ってることは」

『殺す？』

「なんで？」

『単純に邪魔じゃない？』

「はは。どこが？君は全く関与しないじゃないか」

嘲るようなそれに、私は苦笑を漏らす。

『確かにね。私は《破壊者》なのに、その役目を放棄した』

「不孝者だなぁ」

『は。誰に孝行するんだよ。神様にでもへりくだってろって？』

「あはは。君、本当に神様が嫌いだよねぇ」

『クソみたいな神とやらを何故、好きにならないといけないわけ？』

吐き捨てるように言ったその言葉にリーグが笑う。

「…まぁ、神様なんて…確かに信じるものじゃないよねぇ」

そう、リーグはどこか遠くを見るような眼差しで呟いた。