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敵の敵6 ページ40

ロンドンからの帰りに、沖矢さんがキッドを利用したのは知っているけど、あれで終わったのだとばかり――。

でもまあ、変装の師匠としては都合がいいよね。

キッド君だって楽しそうだ。

「でも、私の元彼に変装するのはやめて」

工藤邸に入った私は文句を言う。

沖矢さんは既に作ってある夕食を温めなおして振舞ってくれた。最初から今日はこうする予定だったのだろう。

「だって、オレは基本、実在しない人には変装できないし、ここに工藤新一がいるのはやべーだろ?」

とキッド君が言う。

ってことは、沖矢昴なる、架空の人物を作り出す工藤有希子さんってすごいのかー。

「あ、でも、複数の人を組み合わせて架空の人物を作る程度ならできなくはないけどね」

「ふぅん」

キッドと沖矢さんと夕食を食べるなんて、変な感じ。

「本当にれ……安室さん、ここにやってくるの?」

沖矢さんに聞いたはずなのに、口を開くのはキッド君だ。

「安室さんってあのシェリーに銃口突きつけてきた人だよね?
 
 ねー、おねーさん。どうしてそうヤベー奴とばっかり付き合ってるの? オレにしておけば安心だよ?」

ってにっこり笑うキッド君も、たいがい【ヤベー奴】に分類されていると思うんだけど。

君、月下の奇術師だよ? 天下を揺るがす大怪盗だよ?

あと、そろそろ沖矢さんがどんな人か気づいて?

「私だって好きでそうなったわけじゃ……。あと、君もたいがいだからね。大怪盗君」

「いや、人に実弾の入った銃口を向けない分、オレの方がだいぶマシ」

胸を張って言えるあたりがキッド君だよ、もう。

――どっちにしても、犯罪者であることに大差ないんだよ、わかってる?

私は一生犯罪とは無縁の一般市民で居続けたいんだけど……。もしかして、無理?

「っていうか、キッド君。そろそろおうちに帰ったら? 家の人が心配してるんじゃないの? もしかして、工藤邸(ここ)に泊まるつもり?」

工藤新一(キッドキラー)の家に、怪盗キッドが泊まるなんてシャレにならないんじゃ……。

「そもそも親とは同居していないし、放任主義だから平気。あと何度も言うけど、そんなに子供扱いしないでほしいんだけどっ」

拗ねて見せるキッド君は可愛い。

そう思ったからかどうか、私のテーブルにグラスを置くついでに、私の頭にキスを落としていった。

――ああ、本当に面倒なんですけど。零、そろそろ私のこと、迎えに来てくれないかな――。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:まつり | 作成日時:2022年11月25日 12時

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