溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

飲み友達1 ページ10

仕事前に、お気に入りのコーヒーショップでコーヒーを飲むのがマイルールだ。

だから、月曜日の朝いつものコーヒーショップに入ろうとして……。入り口近くで赤井さんに声をかけられて本当に驚いた。

「赤井……さん？」

いやー、スーツ姿のサラリーマンとかOLが多い中で、ブラックのシャツとパンツ、黒いニット帽ってだけでインパクトすごいんですけど。あと、長身、イケメン、振りまくオーラがただものではない。

「おはよう、A」

本人は、「日本の呼び方に慣れていないので、ぜひとも呼び捨てで呼んで欲しい」って言ってたけど、それ、日本人の私にはハードル高すぎない？

あの日は酔っていたから別に良かったんだけど。

「いつもここのコーヒーショップなんですか？ お会いしていましたっけ？」

「いや、今日は偶然気が向いてここにきただけだ。
　まさか君に会えるとはな」

――って言ってるけど、本当に……？


「君はいつも何を飲む？」

「普通に、ブラックコーヒーです。たまに紅茶の日もあります。あとは、朝ごはん食べるかなー、マフィンとか総菜パンとかその日の気分で適当ですけど」

「今朝は？」そうだなあ、あれとこれにしようかな……って言った途端、私の分まで頼んでくれた。

――なんかすみません。

コーヒーしか飲んでいない赤井さんの前で私は朝食をとっていいんだろうか。

でも、食べないと仕事にならないもんね。

「今日もお休みなんですか？」

私の質問に少し目を丸くした後、赤井さんは「ああ、まあ」とひどく曖昧な返事をした。

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