面倒見の良い隣人4 ページ9
次に目が覚めたときは12時を回っていた。頭痛もやんでいたし、お腹もすいている。
私はシャワーを浴びた後、安室さんが作って置いて行ってくれたうどんを温めなおして食べた。もちろん、うどんの麺は鍋に入れずにとなりに置いてある。
こういう細かいところに気が利く人なので、彼女の一人でもできたらいいのに――。
そういうと、仕事が忙しくて恋にかまける暇などないと彼は笑ってみせるのだ。
だったら、ポアロで働く必要なんてないよね？
イケメンの考えることは、全く意味が分からない――
私はうどんを食べて、平日のための買い出しに出かけた後、ポアロに向かった。
時刻は14時半をまわったところだ。
客足も少しは落ち着いていればいいと思う。
「いらっしゃいませ」
にこやかに迎えてくれる安室さんはとてつもない好青年だ。
絶対に嫌味を言わないし、私に説教したりもしない。
そうね、これが彼の本性だったら恋に落ちたかもしれない。
――でも、現実は違う。そういうものだ。
私の読み通り、昼下がりのポアロは空いていた。
「こんにちは、コーヒーください」
カウンターに座った私は、もちろん、安室さんとの関係なんて知られないように他人行儀に注文する。
安室さんは何も聞かずとも、コーヒーになみなみとミルクを注いで出してくれた。
もはや、コーヒーと言うよりはカフェオレだ。
「たまには胃をいたわった方が良いのでは？」
私が何か言いだす前に、彼はにこやかにそういうので二の句がつけない。
そうして、こちらもどうぞ、と、約束通りのイチゴのムースを出してくれた。
「あむぴって本当かっこいいよね」
「彼女とかいないんですかー？」と、女子高生たちがきゃぴきゃぴ言っているのが本当に愛らしくっていいなと思う。
安室さんもああでもないこうでもないと、楽しそうに会話に付き合っていた。
こうしてみていると、百パーセント王子様なのよね。
でも、残念ながら彼は幻影なのですよ、女子高生たち！
実際のところそう丁寧な口調でもないし、細かいところまでうるさいし、いちいち私生活に突っ込んでくるしで、近づいてみると面倒なことこの上ない。
現実はそう、甘くはないのです。
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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (
レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです！赤井さん降谷さんコンビ最高！ (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつり
| 作成日時：2022年9月1日 8時
