溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

ヘッドハンティング18 ページ46

――なんで、2人ともここで待っているの？

たっぷり１時間は話をしたのに……。

安室さんは資料に目を通していたし、赤井さんはイヤフォンを付けてスマホの端末を眺めている。

私を見て安室さんは「お疲れ様」と言って微笑んだ。

赤井さんは「良かったな」と言って手を差し出してきたので、ちょっと躊躇したけれど預かっていたライターだけ返した。

「……ちょっと、2人して何やってるの？ 途中でどうなるかわかったよね？」

私は部屋から出た瞬間に二人についそう言ってしまったのは許して欲しい。

だって、驚きすぎたんだもん。


「ああ、なかなか堂々としていた」赤井さんはそう言って笑うし

安室さんも「ええ、午前中パニックになって僕に電話してきた時と比べて別人のように落ち着いていてよかった」と言う。

いやいや、そうじゃない。
私も一応働く社会人なので、授業参観の子供に対する感想みたいに述べられても困る――。



「忙しいのにごめんなさい、本当にありがとう」

安室さんは不思議そうに首をかしげる。

「どうして？ それは結果論だ。Aさんは僕に電話した時点では何も知らなかったのだから、何も悪くない。そもそも、赤井が職業を明かしてないのが元凶だ」

「俺が別件で事務所に居ないうちに勝手に話が進んでいたんだからやむおえまい。目の前で進行していたら、さすがの俺も手を打った」

「さぁ、どうだか」と、安室さんが応じ、いつもの調子であっという間に喧嘩が始まるから困る。

よく、1時間の間あんな狭い空間で静かに待っていられたよね。奇跡？

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