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ヘッドハンティング11 ページ39

そこまで話して、ふと不安になった。

上司に電話をしたいという風見さんに「電話が終わるまでこの部屋を使ってください。外でお待ちしています」と伝え、一足早く応接室を出る。

よく考えたら、赤井さんがここでおとなしく待っているとは限らない――

鍵を勝手に開けるプロだもん。1人にしちゃだめだった。

私の嫌な予感に反して赤井さんは近くの壁にもたれて立っていた。ほんっとブラックスーツが似合いすぎてどこの芸能人かと思ってしまう。かっこよすぎてできることなら着替えて欲しい。でも、こんな長身の彼に合う着替えなんてないし、長官の護衛を抜け出して――とか言われたら文句も言えないよね。

次元が違いすぎて、怖い。

どこの世界に「国務長官の護衛を抜け出して君のために駆けつけた」とか言い出す人がいるというのだ。

軽率に恋に落ちる人が続出しそうなので、気軽に言うのはやめて欲しい。



赤井さんは所在なさげに煙草を咥え、手の中でライターをもてあそびながら、火をつけるかどうか思案してくれている。

通りすがりの女子社員の目が釘付けになっていることにはまるで興味がないようだった。


「赤井さん、ここ禁煙。絶対ダメ」

上にサーバ室があるんだから(とは言えないが)、本当に困る。

「――ああ、なんとなくそうじゃないかと思った。ここを出るまで、君が預かっておいてくれないか?」

赤井さんは煙草とライターを私に渡してくれた。

「他にも持ってないよね?」これだけヘビースモーカーなのに、煙草ひと箱しか持ってないってことある?

赤井さんは私を見て口元をほころばせる。

「今日は護衛だったからあえて持ってなかったんだ。さっきここに来る途中でひと箱買っただけ。心配なら、ボディチェックで好きなだけ確かめればいい」

どうぞ、と、赤井さんが手を上げる。

「しません! そういえば、うちの受付の子に何かしたでしょ?ものすごく動揺してたけど?」

はて、と挙げた手を戻した赤井さんはわずかに首を傾げた。

「いや、君の居場所を聞き出しただけだ。帰り際にお礼を言っておこう」

「――そう」


赤井さんにとっては、手の甲へのキスとか挨拶の範疇過ぎて記憶にないんだろう。

もう、文化の違いと思ってスルーしていいかしら。なんかごめんね、田中さん。


私は出てきた風見さんと赤井さんを、会議室に案内した。

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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時

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