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ヘッドハンティング10 ページ38

「なるほど。アメリカの重大な機密に全く関与しない範囲であれば大丈夫ということであっているか?」

珍しくそこそこ話が通じてほっとした。

もしかして、赤井さんとまともに意思疎通できたのはこれが初めてかもしれない。

私は長身の赤井さんを見上げてこくこくと頷く。

「あってます。

 それにしても、どうして私にこんな話が……。どうしても、私に何か頼みたい仕事があるってこと? どうしてもというのなら、会社の許可が取れてここでの仕事との両立ができることが確証されればまあ……考えなくもないけど。

 でも、赤井さんが期待するようなことは何もできないよ?
 優秀なSEならアメリカにたくさんいるでしょ?」

赤井さんは「君は俺が知る限り一番優秀だと思うがな」と言う。おそろしく私の実力をかいかぶっているんだけど、なんで?

もしかして、今まで一度もハッキングの失敗したことないからって私のこと恨んでたりする?

「とにかく、君の考えは理解した。
 外にいる彼とも話をしておいた方がいいだろう。俺は外で待っておこうか?」

「うん……なんか、ごめんね、赤井さん」

「どうして? 君が謝ることじゃない。多分俺のせいだ」

悪かった、と、彼の大きな手が私の頭を撫でた。

このスキンシップ過剰なのは、なんなの?国民性?

私は赤井さんを追い出し、風見さんに入ってきてもらう。

「お待たせして申し訳ありません。
 とりあえず、話はつきそうなので警察庁で働く話は無しにしてもらえませんか? 私はこの会社で今まで通りに勤めたいんです」

「承知しました。上司の方にもそう申し伝えておきます。

 念のため、午後からの会議には同席させていただいてもよろしいですか?」

「はい、よろしくお願いします。でも、国家の一大事ではなく、1OLの一身上の話なだけですから、お忙しい風見さんをお引止めする必要もないかと」

「いえ……。万が一ここであなたが納得のいかない事態になった場合、それを見過ごすと私が上司に怒られますので。是非許可いただけるようお願いします」




――なるほど。安室さん、それを職権乱用と言うのでは?

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まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時

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