飲み友達5 ページ14
「悪かった、つい無意識で吸ってしまう」
携帯灰皿でまだ長い煙草をもみ消した赤井さんは割と素直に謝ってくれた。
「休暇中なのにストレスですか? 心配です。
っていうか、赤井さんは何を食べるんですか?」
「俺? 俺は君と話ができればそれでいい」
赤井さんは興味なさげに言い捨てた。
「良くないですよ……。そんなことだろうと思いました。はい」
私は社内で調達してきたホットドッグとハンバーガーを渡す。
だいたい、SEなんてブラックこの上ない仕事なので泊まり込み前提で社内には便利な自販機が揃っているのだ。
「少ないと思うので後は何か好きなもの食べてくださいね。飲み物は公園の自動販売機にあります――私のお弁当を差し上げたいのですが、人にあげると怒られるので」
「怒られる――とは?」
「お弁当をいつも隣人が作ってくれるんです。
栄養を考えて作っているから、好き嫌いなく全部食べろって――」
「どっかで聞いたことある話だな」と、赤井さんが独りごちた。
「赤井さんの周りにもいました? そういう世話したがりの人」
「ああ、だいぶ昔」懐かしそうに細めた遠い目には何が見えているんだろう。
見上げれば、彼の緑色の瞳と目が合った。
何故私は赤井さんと一緒にランチを食べることになっているのか……。皆目見当がつかない。
でも、なんでもない感じで雑に公園のベンチに座り、ホットドッグを齧るのすら絵になるからだいぶやばい。
他社の知らないOLさんたちからの熱い視線を強く浴びているんだけど、大丈夫かしら。
当の本人は、まだ食事中の私に配慮してくれたのか、やや遠くに立ち、ハンバーガーやホットドッグよりもずっと美味しそうに煙草をふかしていた。
759人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつり(プロフ) - タタリさん» タタリさん、ありがとうございます。 (1月26日 8時) (レス) id: 91a8359b9e (このIDを非表示/違反報告)
タタリ(プロフ) - 面白いです!赤井さん降谷さんコンビ最高! (1月25日 23時) (レス) @page22 id: 3b67077e0b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ハロさん» ご指摘ありがとうございます。ここでは代理できており、時間がないため説明の手間を省こうと偽っている設定です。本編に説明文を加えておきますね。 (5月18日 17時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
ハロ - 風見は警察庁では無く警視庁ですよ (5月18日 16時) (レス) id: 39e5bd607a (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ゆーちゃんさん» 嬉しいです。ありがとうございます! (2023年3月2日 16時) (レス) id: 40409137ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2022年9月1日 8時