溺愛禁止！1【赤井秀一】【安室透】

飲み友達3 ページ12

「ほぉ、それは明日からも路頭に迷わないですむならば仕事を辞めてもいいということであっているか？」

「違います」

赤井さん、日本語堪能だと思ってたけど、案外ちゃんと日本語理解していないのでは？


「人の仕事を急に取り上げようとしないでください」

「転職先を案内しよう。ああ、当座の生活に困らない資金を振り込んでもいい。
　10万――ドルくらいでどうだ？」

「怖いです！どうしてもというのなら10万円くらいにしておいてください」

なんで金曜日にちょっと一緒に飲んだだけの女の口座に、一千万円以上のお金をぽんっと振り込もうとしているの？

大丈夫？ 何か人生で大変なことでもありました？


ここにきて急に、人のプライベートにとやかく口を挟んではくるものの、仕事を取り上げないだけ安室さんの方がましに思えてくるのはなんでだろう……。


「とにかく、私はこれから仕事なのでもしも天気が良かったら12時過ぎに会社の玄関にきてください。雨だったら諦めてくださいね？」

私は立ち上がって会社に向かう。

赤井さんは当然のように、「では、会社まで送っていく」と言った。


――えっと――


赤井さん、自分の存在感とルックスの良さ自覚してないの？


その日会社で私がいろいろな人から「一緒に歩いていたあの人誰？ 新しい彼氏？ 今までの人と傾向が違いすぎない？」と質問攻めにあったことは言うまでもありません……

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