ボディガードは不要です7【沖矢昴】【安室透】 (ページ29)

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disclosure13 ページ29

目が覚めたとき、かすかにパソコンのファンの音がした。

見上げれば、彼は体を起こしてノートパソコンを見ているようだった。イヤフォン越しに何を聞いているのだろうか。

ノートパソコンに隠れて、彼の表情は見えない。
私のわずかな動きに気が付いたのか、ノートパソコンをぱたんと閉じた彼の姿は「沖矢昴」だった。

パソコンをベッドサイドに置くと、「お目覚めですか？お姫様」と囁くようにいい、口角をあげて微笑むと掛け布団代わりにかけているタオルケットに私を包んで腕の中に抱き寄せた。

「昴さん早起きね。もう着替えたの？――それとも、私が寝坊した？」

「5時半過ぎです。寝坊とは言えません。
　Aさんが珍しく一緒に走ろうと誘ってくれたので、私が張り切っただけですよ」

「――ちゃんと眠った？」

私はタオルケットから両手を出して、彼の頬を包み込む。

「ええ。Aさんのおかげで」

触れるだけのキスを落とすと、昴さんは痛くない？動ける？とことさら優しく気遣ってくれ、一緒に走れるというと「じゃあ、下で待ってますね」とパソコンを手に一足早く部屋を出て行った。

昨日と同じコースで走る。
当然のように、今日は安室さんの姿を見かけることはなかった。

2人で朝食を食べていたら、Jがやってきた。
ダメージジーンズと、黒いTシャツなんだけど、スタイルのいい人が着るとそれだけでサマになるのがすごい。