検索窓
今日:50 hit、昨日:43 hit、合計:37,187 hit

disclosure4 ページ20

「Jはどのくらい日本に居るの?」

「一週間程度かな。どうしてもオンラインではできない仕事をいくつか現地でこなしたくて」

「じゃあ、ずっとここに?」

「そう? そんなに俺にここにいて欲しい?素直ないい子は可愛いなあ、お兄さん、張り切っちゃおうかな」

――話が真っすぐ伝わらないのは、語学力の問題ではないと思う。

「Wi-Fi完備、望みのロケーションにほど近いホテルを抑えてあると言ってるだろう。今すぐ出ていけ」私が返答に詰まっていると、隣にいた秀一さんがそう言ってくれた。

「積もる話があるかと思ってわざわざこうやってきてやってるのに、ほんっとつれないなぁ」Jはにっこり笑って受け流す。

「つれなくて結構」

「それにほら、Ladyだって俺に調べて欲しいことや聞いてみたいことの一つや二つ、あるんじゃないの?」

言われてすぐに、トムのことが頭に浮かび私は困って秀一さんに視線を送った。

「君のことはこいつに、何一つ話してない。カマをかけられているだけだ」秀一さんが日本語でそういう。

「――調べない方がいいんだよね?」私はあえて人名を出さずに聞いてみる。

「例えば、生死の確認だけして君がそれで気が済むなら反対はしない。
 でも――」秀一さんは返答を濁らせた。

生きていると知れば会いたいと思うかもしれない。
でも、あの組織に名前も存在も知られている私が動けば、組織の誰かにその情報が伝わる可能性だってある。
それがもとで、トムの身に何かあったら本当に悔やんでも悔やみきれない。

だから、好奇心だけで、パンドラの箱はあけない方がいい。



「あいにく、わざわざプロフェッショナルの手を煩わせてまで調べて欲しいことなんてないわ」私は英語でそうJに伝えた。

disclosure5→←disclosure3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
123人がお気に入り
設定タグ:安室透 , 沖矢昴 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2022年8月1日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。