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「すっかり夕方になりましたね。
他に見たいものはありませんか?」
荷物を一度車に乗せた後、今度はどこに行く?と街を歩きながら聞かれた。
そうだな……と思って街を見ると、私は再び安室さんを目にすることになる。
やっぱり間違いなく安室さんだと思う。ポアロにいる時とは全然雰囲気が違って、どちらかと言うと、大学での爆弾事件の時に見かけた姿をほうふつとさせる。
――何を探しているんだろう――
そう思ったけれど、だからといって私が役に立てるはずもなく、昴さんを巻き込むわけにもいかないのでどうしようもない。
「夕食も食べて帰りましょう。
Aさんが気になるといっていたお店、ここからそう遠くはないはず」
昴さん、記憶力が良すぎて怖い。
テレビの情報番組を見ながら、なんとなく、「あれいいなー」「美味しそう」「食べてみたいー」って気軽に呟いているだけなので……。私の方が半分以上忘れているくらいなので、さっさと忘れてくれていいのに。
「今度は昴さんも食べられるお店? また、コーヒーしか飲まないんだったら寄らなくていいよ?」
付き合わせるのが申し訳ない。
「もちろんきちんといただきま――」
昴さんは不意に会話を打ち切り、通りすがりの男に一瞬視線を後ろに投げると、突然ぎゅっと私の肩を抱き寄せた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年8月1日 15時