【REBORN!】振り返ったら (ページ6)

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三話　ページ6

一方、観覧席側にて

モニターを見つめる一同。
そんな中、マーモンが口を開く。

「この勝負、まずいね。」

「ルミナスが負けるってワケ？」

傍にいるベルが反応する。
マーモンはベルの質問には答えずモニターに映るAを見ていた。

「リボーン！どうしよう、あの人大丈夫なのか！？」

相変わらず情けない声でリボーンに問いかける沢田。
リボーンは「どうだろうな」と何時にも増して歯切れが悪そうに返した。

「今回の勝利条件、彼奴には厳しいんだ。」

「リボーンさん、どういうことっスか？ここに来るって事は殺し屋とかじゃ…」

疑問に思った獄寺が質問する。
視線をモニターから外さないまま、理由を話し出した。

「彼奴は、人を殺してはいけないという約束をしているんだ。
　言っとくが、純粋な実力じゃAの方が上だぞ。

　…今回のルールは彼奴がした約束を破ってしまう事になるからな。」

「約束！？そんなことで負けでもしたら…… ッ！」

獄寺が叫ぶように言う。
するとマーモンが獄寺に殺気を飛ばした。
フードで見えない筈の目が、自分を睨んでいると感じた獄寺は思わず息を呑む。

「Aを馬鹿にするようなら、殺すよ？」

思わず近くにいたベルでさえ苦笑いを浮かべるような殺気を放つマーモンに
リボーンは「こいつ等は知らねーんだから、無茶言うな」と言う。

「ふん、知らないね。」

「つっても、オレも約束の内容は知っているが、誰とした約束かとかは
　知らねーんだ。ただ、Aにとって大切な約束だってのは分かるけどな。
　バイパーはどうなんだ？」

「その名で呼ぶな。僕だってAについて知っていることなんて少ないよ。
　でも、約束についてなら多少は聞いたことがあるよ。

　彼女の言う【ボス】と【社長】との約束だってね。」

そう語るマーモンの顔は暗殺部隊に似つかわしくない顔だった。
余程Aのことが大切らしい。

"『ぐっ…』"

モニターの音声から呻き声が聞こえる。
見れば、先程まで大型ハンマーを使っていたルミナスがいつの間にか銃を手に持っていた。

油断していたのか、銃に当たったA。
見た所、弾は脇腹を掠っただけの様だが、掠っただけにしては様子が変だった。

被弾した所を手で押さえるAだったが、急に口から血を吐き、その場に崩れ落ちた。

"『…毒ですか…っ』"