【REBORN!】振り返ったら (ページ4)

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一話ページ4

雲が少なく月が綺麗に見える夜。

並盛中にてボンゴレリングを賭けて争奪戦を行っている、
ボンゴレと独立暗殺部隊ヴァリアー。

雲戦が終わり本来なら大空戦が始まるであろうこの日。
急にチェルベッロからの伝達で予定を変更し、今日を月戦に変える事を発表した。

校舎内に集まったボンゴレとヴァリアーだったが、ボンゴレの月の守護者はまだおらず、
ヴァリアー側の月の守護者である、ルミナス・クレセントが声を上げる。

「そちらの守護者はまだですの！？まさか、用意できていないのではなくって？
　月は大空よりも希少ですもの、無理ないですわね！」

レモン色の瞳。
長い茶髪をツインテールにし、フリルが付いたヴァリアーの隊服を着ている女だった。
ルミナスが良くある高飛車な姫のような笑い声を上げる。

ルミナスの言葉に、ボンゴレ側の沢田綱吉は「どうしよう…！」と焦り始める。
連絡を取ろうとするがそもそも、沢田は誰が月の守護者か知らない。

どうしよもなくなって沢田は自身の家庭教師であるリボーンに声をかける。

「どうするんだよ、リボーン！！俺、月の守護者が誰か知らないのに…！」

「うるせぇ、ダメツナ。」

リボーンも内心焦っていた。
いくらリボーンが月の守護者に成りえる人物に手紙を送ったとはいえ、
絶対に来るとは限らないからだ。

「(アイツには、ボスと呼ぶ人物がもういるからな)」

幾ら呼んだところで、沢田をボスとするボンゴレの組織に入るとは思えなかった。
リボーンも、諦めかけていた。

だが、その時。
コツコツとヒールの足音が此方に向かってくる。

一番にその音に気付いたリボーンは、ボルサリーノを深く被り、ニヤリと口角を上げる。

「来たゾ」

一言リボーンが呟けば、リボーンのアルコバレーノの証であるおしゃぶりが輝き出す。

一方ヴァリアー側。檻の中に入れられてベルフェゴールに抱えられている
マーモンのおしゃぶりも輝いていた。

「ム…まさか…！！」

同じアルコバレーノであり、月の守護者ができる人物など一人しかいない。
マーモンも、誰が来るのかが分かってしまった為声を上げた。

そんなマーモンの声を聞こえていたリボーンが「そのまさかだゾ」と返す。
アルコバレーノ以外は話についていけず、コツコツと足音が聞こえる方へ顔を向ける。

やがて暗闇から姿が現れ、コツッと足音が止む。

『待たせてしまいましたかね？』

リング争奪戦開始5秒前、ついに月の守護者が到着した。