【REBORN!】振り返ったら (ページ11)

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八話ページ11

このままエリスだけに任せるわけにはいかない、とAも一緒にルミナスに攻撃を仕掛ける。
最初とは立場が逆で、ルミナスが逃げる側になっていた。

『私を馬鹿にされるのは構いません。ですが、ポートマフィアを、私の首領(ボス) を馬鹿にするのだけは…絶対に許しません…！！』

Aはメスを投げ、ルミナスにダメージを与えていく。
最初とは違い、完璧に狙い定められたメス。
避けても、その先に巨大な注射器を構えたエリスが突っ込んでくる。

体力を削がれていくルミナスの動きは段々と鈍くなり、ついに、

ドスッと音を立ててルミナスの背中に注射器の針が突き刺さった。
背後を取ったエリスがルミナスの背中から心臓めがけて刺したのである。

「カ八ッ…」と口から血を吐き出すルミナス。
ルミナスは視線を下に下げると、自身の胸に貫通している針を見た。

思わず叫んだルミナスだったが、エリスが刺さった注射器を引き抜くと、
胸に空いた穴から血が噴き出て教室を血で染め上げていく。

バランスを取って立っていたルミナスの身体が、血の噴出によって傾き床に打ち付けられた。
既に叫び声は止まっていた。

倒れても尚、床が血で広がっていた。
そんなルミナスにAは近づき、
首に下げた月のリングを通していたチェーンを引っ張って壊し、自身のリングと合わせる。

カチリ。

この音が合図かのように、

「月のリングは森Aのものとなりましたので、
　この勝負の勝者は森Aとします」

審判であるチェルベッロの声が放送で掛かる。

月のリングをエリスに渡し、ルミナスを見つめるA。
そして、敵であったルミナスの死を悲しむように手を合わせる。

その後エリスを連れ、観覧席へと歩く。
人が死ぬ所を初めて見たのか、ボンゴレ側で一般人だった彼らの顔色は悪かった。
そんな沢田達に、自分は場違いなのだと感じ少し離れようとするAに、
沢田が小走りで近く。

「あ、あの、ありがとうございます…！」

怖い筈なのに礼を伝える沢田にAはふと、誰かに似ていると感じた。
怯えながらも真っ直ぐなその瞳は虎の彼を連想させた。

沢田に視線だけで返すと、ヴァリアー側から先程まで檻に入れられていたマーモンが
ふよふよと浮いてAに近付く。