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涙目で咽込みながら後ろに下がる五条君に軽く謝り
紙袋に入った仙台で買ったお土産を渡す

前回の出張で試しに買ったら美味しかったので
彼への申し訳なさを少しでもはぐらかそうと帰りの駅で買った「喜久福」
2週間も電話を無視したお詫びと
これから彼を傷付ける罪滅ぼしだ






「なにこれ。」

『お饅頭。こし餡とずんだにしたから。』






「…今から振るから、これ食って元気出せってこと?」

『…。まあ、…だいたい合ってる。』







紙袋の中を覗き込み
訝しげにサングラスの向こうの瞳が鋭く光った

誤魔化したところで時間稼ぎにもならない
どんな言葉で責められても、憎まれ口を叩かれてもいい

むしろその方が後を引かなくて有難い








『一応聞くけど、こんな女のどこがいいの?』

「知らん。そもそも先輩は俺の趣味じゃない。」





『どんな趣味?』

「井上和香」





『いっこも似てないけど、』

「……しいて言うなら、ギャップにやられた?」





受け取った傍から可愛らしい包装紙を雑に破り
それなりのサイズのお饅頭を一口で口に放り込む五条君

ちゃんと会ったのは1回きりで
ギャップを感じられるほどの面識はなかったはず

そもそも自分ですらギャップのある人間という自覚はない
清楚そうに取り繕っているつもりはないし
言葉は悪いが、仕事でも私生活でも割と欲望のままに生きている

井上和香みたいな母性溢れる魅力的なお姉さんが好きなら
むしろ私なんて嫌いなタイプじゃないのか、







「俺、先輩みたいに優しい人初めて会ったよ。」

『優しい?私が?』




「交流会で俺を助けてくれたじゃん。」

『あれはあのおっさんが勧誘でしつこかったから。半分は自分のためだよ。』




「そのあと色々嫌がらせされても、文句も言わないで1人で抱えてるよね。」

『…そんな一部分だけ切り取って、私のことを美化しすぎ。』




”優しい人”
勝手に期待を膨らまされても
理想を押し付けられても迷惑でしかない






「じゃあ教えてよ。先輩はどんな女なの?」

『面倒になったら普通に嘘もつくし、知らない男でも好みなら簡単に体も許しちゃう女。物好きな後輩の可愛らしい恋心なんか重くて仕方ないよ。』






「最低か。」

『だから付き合いたいなんて思わないでよ。早く忘れて、素直な可愛い女の子見つけた方がいい。』






「ヤだね。絶対惚れさせる。」

『迷惑。』






「上等。」

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(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

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