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石川side
「そうでも無いさ」
横には困惑した表情で泣きそうになる花流。
窓には避難完了の信号弾と全速力で突っ切ってくる黄金の鳩。
『見てみてたっくん、色違い、可愛いやろ、トリヤマさんっていうと』
『鳥山さん』
『そ、鳥山さん』
『ネーミングセンスは?
ていうか鳩山じゃないん』
『それは突っ込まんといて』
皮肉なものだ。
まさかゲームから飛び出してくるなんて、彼女は本当に神様に愛されている。
驚いてこちらを見やったDOPPELはまだそれに気づいていない、俺は不敵な笑みで見つめた。
起爆スイッチ。
「なっ」
こんなこともあろうかと、メインコンピュータ以外の全ての装置を切り外し、自爆させるスイッチを用意していた。
最後の最後まで、花流を悲しませたやつを殺すための殺人兵器は取っておいた、悪用されるくらいなら切断すればいい。
しなかったのは、花流を殺すヤツらを一掃する為。
切断したのは、花流にとって大丈夫だと、この世界を信じることが出来たから。
ただし衝撃波で全員外に吹っ飛ぶだろう、それでも。
それでも世界が滅ぶよりはずっといい、この真下だけは動力源の1つとして直接繋いでいるから消せないが、後は上手くやってくれる筈だ。
起爆させると、地下からどんどん爆発していって崩壊する、自力で縄を解いた金髪と銀髪を確認して、横の花流を見る……。
……居ない。
「巴さんッッ!!」
割れた窓から放り出される体、僕が塔から飛び降りたのと鳥山が間近で見えたのはほぼ一緒だった。
DOPPELに気付かれないように告げ口をする。
「鳥山、鳥山。
花流は僕が必ず守るから、あの二人を頼むぞ」
「……!!!」
そのまま僕は、
花流と一緒に落ちていった。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時