光に熔ける 【名探偵コナン】

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「カメラ、カメラ回して！！！」


突如弾けるようにヘリの中叫んだ彼女は立ち上がる、前に居たマイクの人が吃驚して後ろを振り返っていた。


それにカメラを担いでいた彼は反論し、


「や、でもこの状況は」


「臆病な！！


私たちの仕事を忘れたの！？


アナウンサーとカメラマンなのよ！！？


私たちは今、全国民の期待を背負って仕事してんの！！」


あんた、私の同期でしょ、といつになく真剣な顔つきの彼女を見る。


幼いころの面影はばっちり残っているが、もう大人の女性になった彼女が仕事に未だ夢を、そして誇りを持っていたことに彼は眼を見開く。


あの時はただのごっこ遊びだった、テレビの真似して好きな子と遊んでいるのが何よりも楽しかった彼を彼女は驚かせた、そんな彼とってその言葉は誰よりも重く響いた。


彼はもう一度カメラを担ぐ、アナウンサーの女性がその姿に惚れ惚れしたのは言うまでもない。


無言でカメラを回す、野原や河川の傍で駆けまわり、おもちゃのマイクと丸い手鏡をはっつけた黒く塗られた段ボールを持ってごっこ遊びをしていたあの時とはもう違う。


彼らは仕事に誇りを持っていた。


固唾を飲む、閃光のように弾ける彼らを、カメラ越しに沢山の人が見つめていた。

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