光に熔ける 【名探偵コナン】

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こんな危険を省みないテレビ局は労働組合から厳正な処分を受けるだろう、逆に言えばこんなことをするのはその無謀な局くらいだ。


空港や大型のショッピングモール等々、避難してしまって外の状況を知る術のない視聴者からしてみれば、最良の放送だったと言えよう。


現に視聴率は過去最高を記録する程なのだ。


つまり、今自らの身を賭して戦う彼女は日本中の国民にがっつりと見られているのである。


「い、居たのよ、鳩！黄金の鳩！」


「あのニュースのか？


いくらお前、あんな妄言みたいな動画を担当したからって疲れてんじゃあねぇのか」


休め、お前もう顔色が真っ青じゃねぇか、そういわれてうなだれる女性が椅子に座りこむ、巨大な黒鉄の機体を担いだ彼は罪悪のようなものに苛まれていた。


しかし一瞬とはいえ、そのカメラに映った映像に全国の視聴者は反応した。


SNS、某動画サイト、瞬く間に鳩伝説は拡散された。


運が良かったのか、人は夜空と同化して見えなかったみたいだが、黄金の鳩はその姿を誇示するかのように。


勇敢にも、立ち向かっていた。


その伝説が拡散されたと同時に、今世界がどれだけまずい状況に置かれているかという機密が何処かから漏れ出した。


勿論ヘリに乗っているマイクを持った姫君には知るはずもなく本日何度目かの溜息を吐く。


「あ、あの！」


「何です？」


何かトラブルでもありましたか、とカメラマンが冷静に対処しようとしたとき。


「は、鳩が！


黄金の鳩がっ！」


「なんだって！？」


ピクリと動いた項垂れていた女性が顔を上げる、一瞬だった、日本刀を持って鳩に乗った少女を彼女は幼子のように目を輝かせて見ていた。

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