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石川side


そうして僕らは塔にたどり着いたのだ、彼の相棒は塔の外に待機させていて、党の崩壊が一番の懸念要素だった僕らは二人でDOPPEL討伐へと向かった。


僕の体は、もう満身創痍だった。


「……おい、何で来たんだ」


「きぃ」


「何で来たんだよ!


お前、死にに来たのか……!?」


「……ああ、そういうことか。


お前が番号の記憶を持った石川タクか……!」


彼は少ないヒントでそれを理解した、僕らにとってはそれは相当な痛手だった。


彼女はそれを聞いて顔を顰めた、彼女はもうすぐにでも僕が今どういう存在か理解するだろう。


僕が石川タクの魂の八割を持っていることを理解するだろう。


「きゅう」


「んだよ、なんだよぉっ……!


お前、花流のことを大事に思ってんならもう死ぬべきだったんだ、お前は!!


僕は!!そうまでして生きたいかっ!!


思い出も、痛みも、殆どの感情だってお前に渡したんだぞ、二割の俺はせいぜい死ぬまで戦うって使命しか遺ってねェんだよ畜生っっ!!!」


それでも。


彼は泣いていた、感情なんて、痛覚だってもう僕の体の方にはもうほとんど残っていないはずだ、だがそれでも彼は泣いていた。


僕が泣いていた。


「坂口さん……、どういうこと?


たっくんなの?」


「……成程、ア/デートは魂の分割も出来るのか、こいつは盲点だった」


「どうして聖さんと戦っとん、聖さん、死んだはずじゃ」


「俺は聖じゃない、あいつはちゃんと死んでくれた」


そんなことより、とそのまま彼は言葉を繋げた。


「初めましてシュレーディンガー、君の探しているDOPPELは僕で間違いない」


「ああ、聖さんも、坂口さんももうボロボロじゃ……」


「ボロボロ?


そうだとも、ここは金目の集う場所だ、弱者は必要ない。


このくらいボロボロでも立ってくれなきゃ」


それでも、僕は。


弱かった彼女のことをしっかりと見届けていたいから。


僕は


僕は

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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時

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