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何度LINEしても「忙しいんだ、ごめんね」しか言わない太ちゃん。
毎年必ず逢いに来て、プレゼントを渡してくれた太ちゃんが、私の13歳の誕生日に初めて逢いに来てくれなかった。
パパには会ってプレゼントを手渡したくせに、私には逢いに来なかった。
胸が苦しくて、痛い。
私だってさすがにそんなに鈍感じゃない。
太ちゃんに完全に避けられてる。
でも、どうして...
私何かした?
「どうしたの、A?」
スマホを見つめたまま固まっている私に、ママが声をかけてきた。
「怖い顔してる」
今日は日曜日で太ちゃんはお休みのはずだ。
「どうして最近、太ちゃんはうちに遊びに来てくれないの?」
「お仕事忙しいみたいよ」
「そんなの昔からでしょ!でも私が小さい頃はいっぱい遊びに来てたのに何でっ」
「A」
優しくいなすようにママが私を抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だから。焦らないの、いい?こんなことで不安にならなくても大丈夫よ、ばかね」
ママの言葉に鼻の奥がツンとして、込み上げる涙を必死に堪える。
「私、おかしい?子どもだから、パパみたいな大人を好きになったら駄目なの?ずっと同じ人を好きでいたら駄目なの?」
「駄目じゃないわよ」
「だってパパはっ」
いっぱい勉強して、部活して、同級生と恋して、中学生活楽しめよ。
いつもしつこいくらい私に言ってくる。
私が子どもで、太ちゃんが大人なのは私のせいじゃないのに。
堪えきれずに零れ落ちる涙。
「誰でも大人になるんだから大丈夫よ」
「でも...太ちゃんは待っててくれないかも。結婚しちゃうかも」
太ちゃんに恋人がいることは知っている。
太ちゃんは何も教えてくれなかったけれど、パパが全部教えてくれた。
やっぱり、とは思ったけれど、だからって諦められる想いだったら、もうとっくに諦めてる。
「重いね、私」
「重くなかったら、愛し愛される幸せを感じることは出来ないと思うけど?」
勿論、傷つくことだってあるとは思うけど。
ママはそう言って微笑んだ。
「ママは反対しないの?」
「全て受け止められるなら」
喜びも、悲しみも、幸せも、苦しみも、全部受け止められるなら。
「ママもそんな風に誰かを好きになったことがある?」
「勿論」
「いつ?」
「16の時に」
それはパパのことじゃない。
そんな気がした。
その時ママは幸せと苦しみを感じたってことで。
けれど別れなければいけなかったってことで。
胸がズキリと痛んだ。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時